当院リハビリテーション部門では毎年BLS研修を実施しています。
BLSとはBasic Life Support(一次救命処置)の略称です。
一次救命処置とは、心肺停止または呼吸停止に対し、その場に居合わせた人が救急隊や医師に引き継ぐまでの間に行う救急手当のことです。BLSは、専門的な医療機器(AED以外)や薬品などを使用する必要がないため、正しい知識や適切な処置方法を身につけていれば、誰でも行うことが可能な心肺蘇生法です。
当院リハビリテーション部門で行ったBLS研修は、リハビリ中の患者さんが、急に心肺停止になった場合、呼吸停止になった場合、意識消失した場合を想定し、心肺蘇生用のダミー人形と練習用のAEDを用いて、以下の手順で実戦練習を行いました。
1. 呼びかけに対する反応(意識)の有無を確認
2. 呼吸、脈拍の確認
3. 呼吸、脈拍が確認できなければ胸骨圧迫を開始し、周囲の人に救急コール(当院ではブルーアラート)の要請、AEDも持ってくるよう頼む
4. AEDが到着したら、AEDを装着し音声ガイダンスに従いながら胸骨圧迫を再開する
研修ではまず、座学でビデオを見て、AEDの音声がどのようなものかを聞いてもらいます。また、メトロノームを使って胸骨圧迫のリズムを体感し、ダミー人形に胸骨圧迫を行います。さらに、実技を踏まえながらロールプレイを用いて研修を受けてもらいました。
ロールプレイでは、4~5人を1チームとし、それぞれCPRコーチ、AEDを手配する人、コードブルーをコールする人、心肺蘇生の交代役に役割を振り分け行いました。実際にダミー人形に胸骨圧迫してみると、思っている以上に胸骨圧迫は固く、圧迫の深さ目標である約5cmを達成するのが難しかったり、1分間に100~120回のスピードで圧迫していたのが徐々に速くなってしまったり、心臓マッサージを止めることなく交代したいのに、交代に時間がかかってしまったり、気道確保を忘れがちだったり…。
コツを覚えるのに数回練習が必要でした。
各チームで人形に名前をつけて、よりリアルさを出してみたりと、皆が体感することで、改めて人命救助の難しさや、大変さを学ぶことができた場となりました。
実際に参加したスタッフの感想は、
「周囲の人との協力が必要であることが分かった。胸骨圧迫が思っていたより力が必要で体力がいると感じた。AEDとかは今まで使用したことがなかったので、使い方を学べた。」などがありました。
いざ人命救助となると、なかなか思うように動けないものです。
「人命救助」という言葉が重く感じられ、処置に携わることをためらってしまうかもしれません。人命救助に必要なことは、正しい知識と適切な処置です。実技を中心とした訓練を経験することで、人命救助が必要な場合でも落ち着いて対応することが期待されます。今回の研修で得たことを忘れずに、いざという時に活かせるよう、日頃から訓練と心構えを大切にしていきたいと思います。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
・急性期リハビリテーション課
・緩和ケアリハビリテーション課
・回復期リハビリテーション課
文責:理学療法士O
理学療法士K
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TOYOTAが開発した最先端のロボット機器 ウェルウォーク(WW-2000)を導入しました。
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2025年3月13日改訂
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