リハビリ療法士が職場を探す上で、学びの場があるかを気にされる方も少なくないと思います。しかし、大前提として職場は学校と違い、「学ぶ場所」ではなく「仕事をする場所」です。とはいえ、患者さんを診療にもとづく経験や同僚のセラピストから意見を聞いたりすることで、働いていても学ぶ場面は常にあります。ただ、そこで疑問に思うことがあります。
学びは仕事の中だけで完結させていいのか? ・・・と。
果たして仕事内だけの学びが患者さんのためになるのでしょうか・・・
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当院のリハビリテーション部門へは、有りがたいことに病院から学習できる環境を提供してもらっています。その代表的なものが以下2つです。
・医学雑誌・
医学雑誌は全部で4冊「CLINICAL REHABILITATION」「作業療法ジャーナル」「理学療法ジャーナル」「理学療法」です。患者さんの病態の悩みを解決してくれる場合もあれば、新しい知見の発見や知識のアップデートにも繋がり、リハビリ療法士力の向上に役立てております。
・研修補助費・
限度額はありますが、学術大会や講習会の参加に使用できる費用を各人にいただいています。
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また、リハビリテーションの部門内でも学ぶためのきっかけ作りはいくつか用意しています。
・SV制度
・必須推奨プログラム
・症例検討会
・部内カンファレンス などです。
来年度は、部門内で要望のあった「文献の調べ方」や「クリニカルリーズニングの方法」などを必須推奨プログラムの一環として導入することを検討しています。
それぞれの詳細については、過去記事にもなっていますので、お時間のある方はそちらをご覧いただけますと幸いです。
関連の記事は次の通りです。
▸SV制度:新人リハビリ療法士の臨床指導について~臨床スキルの向上に向けて~
▸必須推奨プログラム:必須推奨プログラムが始まります
▸症例検討会:新人症例発表会 リハビリテーション部~いざ‼理学療法症例発表の巻~
▸部内カンファレンス:言語聴覚士 部内カンファレンス
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ここからは実際に研修補助費を利用した話を共有させていただきます。
2022年10月15日、16日に開催された日本神経理学療法学会学術大会へ参加してきました。COVID-19が流行して以降、ZOOMでの講習会や学会への参加が続いていましたが、奇跡的にも流行が落ち着いていたため、大阪開催かつ母校の先生が大会長を務められていたということもあり、現地へ参加してきました。
【私の学術大会での行動】
・教育講演や共催シンポジウムの聴講
・2022年10月に当院にも導入されたウェルウォークに関する症例報告の聴講
・オンラインで知り合った先生とオフラインでの交流
・母校の同期や先輩や先生、前職場の元同僚などとの情報交換
・トップランナーとして活躍する療法士との意見交換
学術大会と聞くと演題発表や教育講演の聴講ばかりに気が向きがちですが、現地参加という事を最大限に活かし、他施設の先生方ともお話しさせていただき、とても有意義な時間を過ごす事ができました。この学術大会への参加により、自分の日々の診療や診療に臨む姿勢など現状を見つめなおすいい機会になりました。志高く臨床や研究に取り組まれている先生方と話しをすることで目標もでき、自分が将来何をしたいのかをイメージする事ができました。(次の学術大会では、自分も発表できれば…なんて思うこともできました。あとはやるだけ。)
このブログでは語りきれないくらいの刺激をうけた学術大会でした。
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SNSなどで、しばしばプライベートの時間で自己学習をすることへの否定的な意見をみかけたりすることもあります。もちろん自己学習という文字通り、学習はあくまでも個人でするものであり、強要するつもりはありません。
ですが、リハビリ療法士が各々の時間を使って自己学習を進めること、積み重ねることは担当する(これから担当するかもしれない)患者さんの未来を形作ることになり、立派な社会貢献に繋がります。
私自身がそうでしたが、リハビリ療法士として歩み始めてから、最初は何から勉強したらいいか全くわかりませんでした。リハビリ療法士としてどのように成長していけばいいかも悩みました。他の病院で活躍する同期がイキイキと働いている話を聞くと不安を感じ、とても悩みました。
でも、それを解決してくれたのは「自己学習」でした。
患者さんのことで分からないことがあれば同僚や先輩や後輩にとにかく聞いてみる、同時に論文だったり症例報告を調べてみる。もっと知りたいことは講習会に参加したり、教科書を読み漁ったりして、とにかく学びを増やしてみる。そんな繰り返しをしていると自然と患者さんの診療にもハリが出てきたように感じます。まだ臨床に出てわずか11年ですし、まだまだ知らないことの方が多いのが現状ですので、さらなる自己学習の継続は必要と感じています。
こうやって記事を書いていても、やはり少しでも患者さんの診療をよりよくするためにはリハビリ療法士の研鑽はかかせないと思います。当院のリハビリテーション部門でも、今まで以上に自己学習の支援ができるよう、よりよい仕組み作りを考えています。
将来的にリハビリ療法士のキャリアアップはもちろん、患者さんへ還元できるように。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
急性期リハビリテーション課
緩和ケアリハビリテーション課
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ウェルウォーク(WW-2000)を導入しました。
【ウェルウォーク(WW-2000)特設ページ】
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