今回は、当院リハビリテーション部門の
「BLS研修」についてご紹介します。
リハビリテーション部門では職員教育の一環として、患者さんの急変時等に備えて、『心肺蘇生法(cardiopulumonaryresuscitation:CPR)』の研修に取り組んでいます。
日本AED財団によると、「日本では、毎日多くの人が心臓突然死で命を失っています。心臓が原因で突然心停止になる人は、年間で約7.9万人。一日に約200人、7分に1人が心臓突然死で亡くなっています。」とのこと。
そこで、当院でリハビリテーションを受ける方がどのような方かというと?
・高齢かつ内科疾患(心不全や呼吸不全など)の持病を有する方
・整形外科患者で20-50代と若い年代の方 など
必要に応じて、機能回復のために運動負荷の強い訓練を実施することもあります。
こう考えると、いつリハビリ訓練中に心臓が原因で突然心停止がおきてもおかしくありません。
だからこそ、私たち作業療法士、言語聴覚士、理学療法士は、緊急事態に備える必要があるのです。
『心肺蘇生法とは???』
「心肺機能が停止した状態にある傷病者の自発的な血液循環及び呼吸を回復させる試み、
あるいは手技」で、その方法は、①胸骨圧迫、②気道確保、③人工呼吸です。
また、心肺蘇生法は大きく2つに大別されます。
★ 一次救命処置(basic life support:BLS)
心肺停止または呼吸停止に対する、専門的な器具や薬品などを使う必要がないCPR
★ 二次救命処置(advanced cardiac life support:ACLS)
病院などの医療機関において医師や救命救急士が行う高度なCPR
≪胸骨圧迫とAEDの効果≫を表したグラフです。
(日本AED財団ホームページより抜粋)。
赤線グラフが胸骨圧迫とAEDを併用したときの救命率です。
救急隊を待つだけ:8.2%
胸骨圧迫だけ:12.2% ですが、
AEDを併用すると53.2%の救命率に上昇!!
約半数の方の命が救われていることがわかります。
では、『リハビリ部でのBLS研修内容』について、簡単にご紹介します。
①BLS動画の確認(事前にyoutube上の動画を閲覧/参照して研修に臨みます)。
②基礎となる「胸骨圧迫」の練習から開始します。
③次に「AED」の操作
グループ内で役割をローテーションしながらBLS研修を進めます。
この時、評価者役の療法士(赤楕円枠)が、個々の療法士やチームに対して、良い点や悪い点をフィードバックしています。
チーム全体の動きや個々の胸骨圧迫の改善につなげていきます。
今回はこのような形式でBLS研修を進めていきました。
私たちは作業療法士、言語聴覚士、理学療法士である前に、医療従事者です。各専門職として専門性の追究はもちろん大切ですが、医療に従事する者として、最低限の“命を守る”行為ができて当たり前だと考えています。
あなたは作業療法士、言語聴覚士、理学療法士である前に、医療従事者として心肺蘇生法をきちんと行えますか?
当院リハビリテーション部門では色々な研修を実施しています。
例えば・・・
・看護部との研修 ~多職種連携~ など
それらにはしっかりとした意味があります。
有隣会 東大阪病院のリハビリテーション部門の一員になったからには、有隣な人になってもらいたいと思っています。
『有隣とは?』
論語の『徳不孤、必有隣(とくはこならず、かならずとなりあり)』に由来し『徳のある人は孤立することなく必ず他の人を感化してよき隣人をもつ(真面目で硬い人は、ややもすると近寄りがたく敬遠されがちですが、その人の信念に本当の徳があれば、自然と周りが支持してくれるはずです。)』という意味です。
これは孔子の言葉です。
有隣会の職員は、徳ある人、仁愛ある人を目指しましょう。そうすれば職員間の能力は高められ、ひいては地域住人・地域社会に貢献できるでしょう。という想いが込められています。
リハビリテーション部門の研修でBLS研修を実施する意味を分かっていただけましたか?
研修場面をイメージしていただけましたでしょうか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
※無断転載禁止
文責:理学療法士Y、企画部A
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