「作業療法士(OT)インタビュー③ 転職をお考え中の作業療法士(OT)さんへ」と題して、当院で活躍中の作業療法士Mさんにインタビューを実施しました。
来年に作業療法士になる予定の学生さん(新卒作業療法士)や転職を考え中の現役作業療法士さんに読んでいただければと思います。
※作業療法士(OT)インタビュー①は コチラ
※作業療法士(OT)インタビュー②は コチラ
Q1.入職して何年目ですか?
2年目になります。
Q2.就職活動の際にどのような視点で病院を探していましたか?
当初は回復期の病院を希望していましたが、臨床実習で急性期病院を経験したことで急性期の作業療法にも興味が出てきました。どちらとも決められず、急性期・回復期共に経験させていただける病院を探していました。また、院内での勉強会が盛んに行われている点も重要視していました。
Q3.入職を決めた要因を3つお聞かせください。
1つ目は共育プログラムでの新人教育がしっかりとなされていると知ったこと。2つ目は認定作業療法士の先生が2名在籍しておられ、その先生方から直接の指導を仰がせていただきたかったこと。3つ目はブログで日々の様子が詳細に記されており、院内の雰囲気がわかりやすく安心感を抱けたことです。
Q4.入職前と入職後で感じたギャップをお聞かせください。
学生時代は心身機能に焦点を当てた「医学モデル」の勉強が中心でしたが、臨床に出てからは患者さんそれぞれの人生や大切な作業に焦点を当てた「作業モデル」もまた重要であると実感しました。また、想像よりも書類業務が多く、慣れないうちは時間がかかりました。
Q5.今のMさんの仕事内容は?
私は急性期病棟で業務に就かせていただいています。主な疾患は大腿骨近位部骨折、腰椎圧迫骨折など整形疾患が多いです。肺炎などの内科疾患も担当させていただいています。リハビリ内容は、起き上がりや立ち上がりといったベッド周囲動作から始まり、身の回りのセルフケア動作の改善等を行っています。介入初期にはADOCやCOPMを用い、患者さんにとって大切な作業が何なのかを知るようにしています。コロナ禍での入院生活のため色々と制約は多いですが、理想とする生活に近づけられるよう患者さんと共に考えることがやりがいとなっています。
Q6.これまで一番苦労した仕事のエピソードをお聞かせください。
離床に対して消極的な患者さんへの介入にとても苦労しました。ベッドサイドでの会話には参加されるのですが、起き上がろうとしていただけません。興味があると話された相撲のテレビ鑑賞へ毎日お誘いをしますが、応じられることはありませんでした。遂に退院となってしまい、私はこの患者さんに何をすることができたのか、あの時もっと違う方法を試してみれば起き上がってくれたのではないかと、後悔の気持ちが今でもわき上がってきます。
Q7.これまでの仕事で一番印象に残っているエピソードをお聞かせください。
初めての症例検討に挙げさせていただいた患者さんが一番印象に残っています。評価を何度も行い、他職種とのやり取りを経験し、家屋評価までさせていただきました。その方は独居生活を送られていましたが、退院後は施設入所ではなく各種サービスを調整することで元の生活に戻ることができ、非常に喜んでおられました。一人の患者さんについてどこまで深く知り、考え、どうやって生活を再構築していくのかと先輩リハビリ療法士からご指導いただき、作業療法士の奥深さを知ることとなりました。
Q8.他の作業療法士、他職種とはどのようなコミュニケーションを図っていますか?
リハビリ療法士の先輩方は、患者さんだけでなく新人のわずかな変化も敏感に察して下さいます。「最近大丈夫?」「しんどくない?」と先輩から声を掛けていただくことで、些細なことでも相談しやすい雰囲気を作ってくださいます。初めは遠慮をしていましたが、最近は自分からすぐに相談することができています。
他職種の方へ話しかけるときは未だに緊張しますが、患者さんのためなら快く話を聞いてくださるので勇気を出して話しかけに行っています。
Q9.東大阪病院という病院、そして自分の未来についてどうお考えですか?
2023年の10月に新病院が開院します。聞くところによると、新病院は木目調で温かみのある雰囲気の病棟らしいです。駅から直結で、利便性はさらに良くなります。新病院は、救急とリハビリ、緩和ケア、透析、地域活動を今以上に充実させられる仕様になっているそうなので、楽しみです。1年後には新病院が出来上がっていると思うとウソのようです。
私自身のことを言えば、今はまだ目の前のことに必死になっていますが、今後は「クライエント中心の作業療法」を展開できるようになりたいと考えています。作業療法士は患者さんの良きパートナーとなり、互いに協力して目標を達成していけるようになりたいです。
Q10.学生たちへのメッセージは?
職場は実際に働いてみないと自分に合うかどうかわかりません。しかし、東大阪病院はブログを通して現場の生きた声をお届けできている、数少ないオープンな病院ではないかと思います。私自身、入職前後で職場環境に対するギャップはほとんどありませんでした。
最後になりましたが、残りの学生生活は勉強も頑張りながら、遊ぶことも大切にしてください。たくさん遊びを知っている=知っている作業の幅が広がる、ということになると思います。遊びを知ることは作業療法士にとって強力な武器になると思います。
あなたと共に働ける日を楽しみにしています。
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