物理療法※の基礎的な部分、電気刺激療法の臨床的活用方法について伝達講習会を開催しました。
※物理療法とは?
物理療法とは、痛みの軽減や血行改善をはかる目的で、温熱、冷感、電気、光線、水、牽引、マッサージなどの物理的手段を用いる治療のことです。
伊藤超短波株式会社主催のZOOM勉強会に職員が参加し、その伝達講習を行ってもらいました。
伝達講習は、新型コロナ感染症対策で、人数を上限(講師含め)10名として、2回に分けて開催しました。
1回目は、物理療法の基礎的な部分についての講義、2回目は、1回目の復習と電気刺激療法の臨床的な活用方法についての講義となりました。伝達講習とはいうものの、「当院にある電気刺激療法の機器をどうやって活かしていくか」ということを考えて、もともと受講した勉強会の内容だけではなくプラスαの内容で、理学療法士(PT)も作業療法士(OT)も明日からの治療に活用できそうな内容でした。
【物理療法 伝達講習会1回目】
1回目の伝達講習は、若手作業療法士(OT)のAさんが講師を務めてくれました。
若手の職員は、通常は、先輩の講義を聴講することが多く、症例検討の資料をつくることはありますが、今回のように講義用の資料を作成し、実際に講義を行うことは少ないです。学んだことをただ伝える・受講した業者主催の講義資料をそのまま使うのではなくて、より内容が伝わるようにと、図を自分なりに作成し工夫してくれていました。
【物理療法 伝達講習会2回目】
2回目の伝達講習は、経験者理学療法士(PT)のBさんが講師でした。
物理療法に関しての知識が豊富で、データや文献からの情報をもとに、実際の訓練場面でどのように活用していくのかを非常にわかりやすく講義をしてくれました。
例えば、機器の設定に関する基本的な考え方、変形性膝関節症に対する活用法や術後の痛みへの活用等です。
電気刺激療法は、治療的電気刺激(TES)と機能的電気刺激(FES)に分けられ、治療的電気刺激(TES)はさらに、経皮的神経電気刺激療法(TENS)・筋電気刺激療法(NMES/EMS)・微弱電流刺激法(MCR)・高電圧電気刺激療法(HV)に分かれます。
当院で活用している『エスパ-ジ』は治療的電気刺激(TES)、『IVES』は機能的電気刺激(FES)の治療機器になります。私自身も2つの伝達講習を受けて、リハビリ訓練の中での電気刺激療法は、日々進化しており、機器での治療を実施している時にじっと受けてもらっているだけでなく、動きを促通したり、痛みを調整して運動を行いやすくしたりと、運動と併用して活用していけるものであり、脳血管疾患・運動器疾患・廃用症候群と様々な疾患に対して、急性期から回復期まで様々な病期で使える可能性があることを再認識できました。
リハビリ実施時の疼痛コントロールは、主治医や看護師と連携しながら行っています。しかしながら、薬に頼らないコントロール方法の1つとして、この電気刺激療法という選択肢が増えれば、患者さんにとっても、とても有益だと思います。
時間外で疲れていても、新しい治療方法や、患者さんをよくできるかもしれないと学べる時間は本当に貴重でありがたいなと思います。療法士としてはとても幸せな時間です。また、患者さんをよりよくしたいという、意欲や思いをともにできる素敵な職員に恵まれてありがたいなと感じる勉強会でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
文責:作業療法士 椎木
企画部 アベ
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