「言語聴覚士(ST)インタビュー① 転職をお考え中の言語聴覚士(ST)さんへ」と題して、当院で活躍中の言語聴覚士Sさんにインタビューを実施しました。
転職をお考え中の現役・言語聴覚士(ST)さん、来年に言語聴覚士になる予定の学生さん(新卒言語聴覚士)に読んでいただければと思います(^◇^)
Q1.入職して何年目ですか?
3年目です。
Q2.就職活動の際にどのような視点で病院を探していましたか?
できるだけ症例を経験できるような病院を探していました。福利厚生も重要視していて、住宅手当があることと、寮があることも良かったです。
Q3.入職までの経緯や当院を知ったきっかけは?
学校の病院合同説明会で知りました。東大阪病院が病院合同説明会に参加することを知って、調べてみたら良い病院だなと思いました。
Q4.入職を決めた要因を3つお聞かせください。
病院見学会時に対応して下さったリハビリ部の部長が非常に丁寧に対応して下さって、好印象を持ちました。
そして、教育体制が整っていることが魅力でした。急性期から慢性期、回復期、緩和ケア、そして在宅まで様々な病期を経験できることが一番の決め手となりました。
Q5.入職前と入職後で感じたギャップをお聞かせください。
自分が最初に携わりたかった急性期に関してはイメージ通り様々な病期の患者さんを担当させてもらえました。急性期病棟でも、内科疾患、整形外科疾患で入院された患者さんだけではなく、リハビリテーション目的で入院される患者さんもいらっしゃるので経験できる症例は多いと思います。今も気管切開のある脳こうそくの患者さんを担当させていただいています。
Q6.今のSさんの仕事内容は?
今は急性期病棟と緩和ケア病棟を担当しています。緩和ケア病棟のがん患者さんへのリハビリテーションは、私が入職2年目の時に上司から「がんリハビリ研修に参加してみない?」と声をかけてもらったのをきっかけにがんリハビリ研修に参加し、それから携わるようになりました。がんリハビリテーションは対象が終末期(ターミナル)の患者さんのため、お亡くなりになる最期まで食べたいというお気持ちに如何に寄り添っていくかを大切にしています。がん患者さんは日に日に状態が変わり、その時の状態に合わせた環境設定や、食事の変更をしなければいけません。患者さんによってはスピーディーな対応を求められるときもあり、とてもやりがいを感じています。
Q7.これまで一番苦労した仕事のエピソードをお聞かせください。
パーキンソン病の患者さんで、頭部外傷の既往もある方を担当させていただいたことです。ある日病棟の看護師さんから「患者さんがむせている」と連絡がありました。そこで、嚥下造影検査を実施してみると、想像以上の量の誤嚥をされていました。関係者による協議の結果、ご本人の食べたいという気持ちを尊重することになり、ご家族も同意されました。この患者さんの今後の方針を決めるまでの過程において、言語聴覚士として目視だけでは分からないことがあると痛感しました。
Q8.これまでの仕事で一番印象に残っているエピソードを聞かせください。
以前担当させていただいた気管切開の患者さんです。この患者さんは脳梗塞を2回されて、担当した時には、ほぼ寝たきりという状態でした。しかし、奥さんからは「まずは食事からリハビリを行っていただき、少しでも病気の前の状態に近づけて欲しい」と話がありました。患者さんの容態から考えて、病気前の状態に回復されるのは正直厳しいという状況下で、主治医の許可を得て、奥さんと二人で話す機会を得ました。奥さんが過度な期待を抱かれたり、逆に失望されることがないように言葉を選び、旦那さんのリハビリ状況について説明させていただきました。すると、奥さんが旦那さんの病状を理解してくださいました。それからというもの、奥さんと積極的に情報交換をしながら、多職種で連携を図りリハビリテーションを行っています。不安を抱えておられた奥さんが、私と話したことをきっかけにリハビリをはじめ、色々なことを前向きに捉えられるようになられ、私自身も嬉しくなりました。
Q9.他の言語聴覚士、他職種とはどのようなコミュニケ―ションを図っていますか?
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)とはとても良い関係を築けています。リハビリテーション部はとても良い環境だと思います。自部署を褒めるわけではないですが、居心地は良いですよ(笑)
Q10.東大阪病院という病院、そして自分の未来についてどうお考えですか?
今は急性期ですけど、将来的には超急性期もやってみたいです。もっと脳外科も勉強したいです。今までの経験を活かして、施設での指導なども挑戦してみたいです。実習生のバイザーもやってみたいです。
Q11.学生たちへのメッセージは?
経験豊富な先輩方はとにかく優しいです。私が分からないことを、聞きやすい雰囲気を作って聞いて下さいます。分からないけど聞けないという、一番しんどい時間を経験することなく今まできました。学生さん達も患者さんのこと、リハビリテーションのこと以外で悩む時間を極力少なくできる職場に就職して下さいね。
Q12.転職を考え中の言語聴覚士さんへのメッセージは?
当院は医師が私たち言語聴覚士のことをとても信頼して下さっています。リハビリテーションの内容も言語聴覚士(ST)の判断に任せて下さることが多いです。そのため、食事変更や嚥下造影なども積極的に医師に提案しています。もちろん、悩んだ場合はリハビリテーション医もいるため相談させていただきながら進めています。他職種に頼りにされていることが実感できるため、とてもやりがいを感じています。こんな環境で働きたいという言語聴覚士の皆さん、一緒に働きましょう!
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