東大阪病院リハビリテーション部 部長の椎木です。
いよいよ、オリンピック・パラリンピックですね。
今までとは、ずいぶんと対策が違っていて、日本で行うのに不思議な感じがします。コロナの対応が心配されますが、安全に行われて、オリ・パラの各国各選手の今までのトレーニングが実を結び、最高の結果になるようにと思います。
さて、当院でも昨年に中止していた必須推奨プログラムを開催しました。
6月は…
触診(肩)
呼吸Ⅰ
上肢機能の治療(運動&感覚)
そして今日ご紹介するADOC/COPMと5つのテーマについて開催しました。
全15種の講義を、年2回実施します。
開催日はすでに設定しているので、参加者は自分のスケジュールや興味に沿って受講計画を立てます。2年以内にコンプリートが目標です。どれも必要な知識・技術なので、どれか迷う方も多いようです。
これら必須推奨プログラムには、事前課題があります。
学びを取りに行く、
そういった準備のための課題です。
ただし、お世話は極力しなくて自分で準備をしなくちゃいけません。
基本的に、自ら学ぶを創るための講義なので^^
さて、ADOC/COPMですが作業療法士としてはぜひ使いこなしたいツールです。
ADOCの場合は、iPad上の様々なジャンル生活上の行為についてイラストを頼りに重要と考えるものを探していきます。
この重要な作業は本当に人によってさまざまなんです。
ある失語症の患者さん。
生活上の今困っているであろうトイレや更衣などよりも、金銭管理のイラストにとても反応されました。
失語症で言葉の表出はうまくできないのですが、知的にも保たれておられて、イラストでそのものの意味は理解されたようです。家の家計管理はこの患者さんの役割で、それができなくなってしまって、入院してから気がかりだったと、後のやり取りでわかりました。
ADOCは、患者さんの大切な意味のある作業を確認するための、そして効果判定にも使う大事なものです。
患者さんの中には、意味ある作業が明確なのでわざわざ使わない場合や、認知機能低下が重度でコミュニケーションが困難な場合はご本人から聴取することは難しいのですが、複数の課題が見えて、どれから優先的に取り組めばいいのか?
患者さんの背景を知るには?
作業療法士介入の成果で本当に生活の質が変化したのか?など把握するために重要なツールです。
リハビリ療法士だけの頭で考えると、時にはピントのズレた目標になってしまって、患者さんの期待にそわない結果になってしまう、やる気も起きない…そんなことがないように、ぜひ使えるようになって欲しいなと思います。当院では、ADOCを使えるようにするために、iPadをリハビリ部門用として準備しています。
回復期リハビリテーション病棟では、初期評価項目に必ずこの結果を記載することにしていて、作業療法士(OT)が評価した結果を多職種で共有して目標設定に活用しています。
講義の中では、なぜこの評価ができたのか?歴史の部分にも少しふれて、作業療法士(OT)マインドの醸成にも貢献できるかなと思っています。
また、別の機会にその他の講義もご紹介できたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
*無断転載禁止文責:作業療法士 椎木
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