東大阪病院リハビリテーション部部長 作業療法士の椎木です
今日は、言語聴覚士(ST)が取り組んでいる業務改善についてお伝えしたいと思います。
少し前に、咀嚼機能改善に効果的かも…ということで
「プロセスリードという商品の導入について検討している」というような話題をブログで書かせていただきました。
プロセスリードについては、当院の患者さんや訓練時に自分たちの必要とする機能が得られにくいとの判断で導入は見送りにしました。
その他のブログでも、言語聴覚士部門で5Sに取り組んでいる ことをお伝えしていたかと思います。
今日は、そんな業務改善の1つについてご紹介したいと思います。
今年度は、言語聴覚士(ST)の人員補充で3名の中途入職の職員を迎えました。
この他病院で勤務経験があるということが、今回とても活かされました
というのも、
今迄も多職種に情報提供したり、言語聴覚士(ST)自身が働きやすくなるための方法についての検討を行ってはいました。
しかし、改めて、他病院で働いているSTの視点でその取り組みをみると・・・・・
ここはもうちょっとこうなったほうが・・とか
この作業はなくても大丈夫なのでは??とか
この基準はこうしたほうがエビデンスに沿っているんじゃないかな?? など。
今ある課題が明確になってきました。
その結果、今回、ST自身の仕事も改善できるある取り組みにつながりました。
それは、
「食事注意事項用紙のバージョンアップ」 です。
食事注意事項用紙とは、嚥下障害のある患者さんが、食事介助や水分摂取をする際の注意点(患者さんの姿勢や介助者が介助する時の注意点など)をまとめた用紙のことを言います(嚥下障害のある患者さんの食事介助や水分摂取介助をする時に、看護師や看護助手、リハビリ療法士などが使用します)。
食事注意事項用紙は、必要な患者さんのベッドサイドに掲示させていただき、いつでもだれでも確認できるようにしています。
この用紙が共有されている事で、言語聴覚士(ST)がいない作業療法士(OT)によるリハビリテーション場面で、急に患者さんから「お茶が飲みたい!!」という訴えがあったとしても、どのような方法で飲水を支援すれば良いのかがすぐに分かるため安全かつ安心して作業療法士(OT)も患者さんに関わることができるわけです。
けれども、
今まで使用していた食事注意事項用紙は記載項目が多く、作成する言語聴覚士(ST)が大変でした。記載事項が多すぎて、ポイントが一目で分かりにくい、他の記載事項との重複があり、言語聴覚士(ST)や病棟スタッフの業務が大変というような困りごとが発生していました。
そこで、今回バージョンアップを行うこととしました。
主要な項目数の見出しを5項目にし、大きく表示し、記載箇所をフリーにしました。
これによって見やすく、ポイントを絞った注意事項用紙になりました。
以前のバージョンでは、記入する負担を減らす為に○をつければ良いだけのデザインにしていましたが、患者さんによっては個別の条件を追加することもあり、旧版では使いづらいこともありました。
新しい食事注意事項用紙の項目を決めていく過程では、リハビリ療法士だけではなく、実際に情報を共有する病棟スタッフの意見も取り入れさせていただきました。
(新しい食事注意事項用紙:すっきりシンプルになりました)
作成した当時はベストだったことも時間がたって、使うスタッフの変化や患者さんの変化、業務形態の変化等々ある中では合わなくなってくる事もあります。
継続するには、
“カンタンにする”
“シンプルにする” という事も大事なポイントです。
常に120%全力疾走以上のパワーでは、体が持ちません。
簡単でかつ、質も担保できて、持続可能って大事ですね
今回の業務改善は、そういう意味では色々な視点を組み合わせて結果に繋げることができました。
新しい食事注意事項用紙は仕事をきっとやりやすくしてくれると思います
また、そういう意見を持ち出しあって検討できるチーム、素敵だと思います
現場から「変えてもいいですか?」と意見が出たことも嬉しいですし、
普段の診療業務に加えて、「よしやろう!!」と取り組み、できたのは
根底に“患者さんによい医療を届けたい”という強い想いが各療法士にあるからだと思います
業務改善は管理職だけではできません。
ブログを通して、沢山の方に、こんな素敵なスタッフがいるんだという事がお届けできれば幸いです
私自身、このような想いをもって働いている仲間たちと仕事ができることに感謝しかありません
最後までお読みいただきありがとうございました。
文責:作業療法士 椎木洋子
*無断転載禁止
2020年12月12日(土)現在の求人情報
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