リハビリテーション部管理職ブログチーム作業療法士Kです。
今回は
「緩和ケア病棟における当院のリハビリの実践」
について、お話しさせて頂きます。
当院では独自の介入ルール(=リハビリ実施ルール)で
緩和ケア病棟でリハビリを実践してきた5年という
歴史がありますが…
9月より、大きく変わりました!!
それは…
緩和ケア病棟でも、担当医師の指示の下、
必要なリハビリを必要なだけ提供する!!
と変わりました。
このルール変更で大きく影響を受けるのが
患者さんが急性期病棟(本館3階、4階)から
緩和ケア病棟に移られる場合です。
これまでは、
急性期病棟から緩和ケア病棟に移る場合、
急性期病棟で行っていた、そのままの訓練量と回数でリハビリを行うことが難しかったです。
読者の皆さまの中には、
・何で?
・入院する病棟によってリハビリの回数が違うの?
たくさんリハビリをしてくれる病棟の方が良い!
とクエスチョンマークが頭をよぎっているかもしれませんが…
そこは色々な事情がありまして、
急性期病棟と緩和ケア病棟では同じリハビリテーションを行うことが難しいのです。
これは当院だからということではなく、
現在、日本中どこの病院でも、
緩和ケア病棟において、
理学療法、作業療法、言語療法の
すべてを実施している病院は、
とても少ないのが現実です。
当院の緩和ケア病棟情報はこちらからご確認下さい。
今までは、急性期病棟から緩和ケア病棟転棟時に
リハビリ回数が少なくなる事を、
入院する前に実施する緩和ケア面談(看護師が担当)の中で、
ご説明させて頂いたり、
リハビリ初回介入時に訓練の案内用紙を用いて、
リハビリ担当者と患者さんとで刷り合せさせて頂いたりと
思考錯誤してきました。
その過程で色々な話を患者さん、ご家族とさせて頂き、
医療人としてみなさんのご希望に応えたいという気持ちが、
何よりも強くなりました。
その結果、9月より制度を変えたわけです。
緩和ケア病棟でも、担当医師の指示の下、
必要なリハビリを必要なだけ提供する!! と。
病棟がかわっても、そのままリハビリを継続する事を始め、今日までで、2名の患者さんに対応させていただいています。
リハビリとしては、今まで通りの評価をし、介入をするだけなのですが、
病院の構造上、リハビリテーション室まで距離があり、お部屋や食堂スペースで訓練を行なったりしています。
また、屋外散歩や買い物への希望にも時間が許す限り対応させて頂いています。
病気が病気なだけに、
現状の日常生活動作能力を維持するだけでも奇跡的なことなので
私たちセラピストは一日一日、一回一回の関わりを大切にしています。
本人さんの興味や趣味をリハビリテーション時間の関わりに取り入れるなど柔軟な対応を心掛けています。
しかしながら、時間が経ち、病状が進むと、患者さんは亡くなられてしまいます。患者さんとのお別れは何度経験しても心が痛いです。もっとできる事があったのでは?もっとこう工夫していれば、もっともっと患者さんに喜んでもらえたのでは・・・と後悔ばかりしてしまいます。
そんな時にご家族さんより、
「最後までリハビリしてもらい、ありがとうございました。」
と、有難いお言葉を頂戴します
私たちセラピストの業務は、疑問や迷いが絶えません。
今回の急性期病棟と変わらないリハビリを緩和ケア病棟でも提供させいただく件一つとっても色々と考えさせられました。そんな時に、“患者さん、ご家族さんよりいただく言葉”は私たちの道しるべになりますし、とても勇気をいただきます。
私見ですが、当院のリハビリテーションは、
本当に患者さん・ご家族を支える関わりが出来ていると
自負しております。
今後、がんを患っておられる患者さんに、
具体的に療法士自身がどう考えて、何ができたか?
がんのリハビリに興味のある療法士に、
がんリハビリについて伝え、
実際にがんのリハビリを実践できるセラピストとして
自立してもらいたいと考えています。
10月の新人研修会では、「がんのリスク管理」
11月は「緩和ケアでのリハビリの実際」
を講義予定となっています。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
文責:作業療法士K
*無断転載禁止
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