今日は、2024年度の診療報酬改定で、評価の機会の多くなったBI(バーセルインデックス)を、従来の治療やカルテ記載等の関連業務に影響させずに短時間で正確に評価するための当院での工夫を紹介します。
今回の診療報酬改定では、急性期の分野では、ADLを評価する評価法としてBIが多く使われるようになりました。FIMは「しているADL」を評価するのに対し、BIは「できるADL」を評価する評価法です。
急性期の分野においては、早期からリハビリテーション職が関わり離床を行っていく事が、患者の早期ADL改善に貢献でき、その働きかけを評価する指標としてBIが有効なのです。
当院では、日々、リハビリテーションを実施する際に、急性期リハビリテーション加算の算定ができるかどうかを判断する必要があり、また、リハ栄養口腔連携体制加算のアウトカムにも関連して、BIを正確に評価できる必要がありました。
これらは、令和6年度(2024年度)の診療報酬改定で新設された評価項目です。
急性期リハビリテーション加算は重症患者に対する早期からのリハビリテーション提供を推進する目的で導入され、以下のいずれかに該当する入院中の患者が対象となります。
▶ADL評価(Barthel Index: BI)が10点以下の患者
▶認知症高齢者の日常生活自立度がランクM以上の患者
▶特定の処置等を受けている患者:
▶特定感染症の患者または疑いのある患者
算定要件は、対象患者に対して、発症、手術、急性増悪から7日目または治療開始日のいずれか早い日から起算して14日以内にリハビリテーションを実施した場合、1単位につき50点が加算されるものです。
BIはこの中でもADL評価に関連します。毎日訓練を行うので、日々ADLは変化します。つまり、BIは変わりますので、もし開始時にBIが10点以下でも、ADL評価がアップすれば、加算は算定できなくなるため、毎日評価が必要なのです。
研修は行いますが、日々仕事をしていると細かな内容を忘れてしまったり、思い込みで違う基準で算定してしまうことも考えられるので、当院ではBIと急性期リハビリテーション加算の加算要件のポケットマニュアルを作成しました。
ポケットマニュアル:ラミネートして制服のポケットに入るサイズにしています
評価基準があいまいに感じた時や、どうだったっけ…と分からなくなった時はこれで確認ができます。新規の患者さんがどんどんやってくる急性期では、1分でも時間は惜しいものです。
BIを日々評価するようになりましたので、従来FIMを使っていたリハビリテーション総合実施計画書でも急性期病棟ではBIを使うように変更しました。
「効果的に仕事ができる工夫をして、創った時間は患者さんに使う」
療法士の仕事は訓練以外の仕事も増えていますが、療法士自身が元気に働くにはやっぱり訓練や他職種との連携がしっかりできる環境が整っていることが大切だと思います。質の高い治療を提供するためにもこれからも様々な工夫を行っていきたいと思っています。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
・急性期リハビリテーション課
・緩和ケアリハビリテーション課
・回復期リハビリテーション課
文責:リハビリテーション部門 部長 椎木
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