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拡散型体外衝撃波療法(ショックウェーブ)
2024-5-31【カテゴリー】PTの仕事/キャリアアップの秘密/その他

今回は、

拡散型体外衝撃波療法(ショックウェーブ)
 ~若手理学療法士・作業療法士が知っておきたい新しい治療法~

と題してお伝えします。

関連記事:体外衝撃波(ショックウェーブ)

関連記事で、デモ機で活用した拡散型体外衝撃波療法(ショックウェーブ)の効果についてお伝えしていましたが、その後、購入することになりました。

拡散型 体外衝撃波とは?

 拡散型の体外衝撃波(radial extracorporeal shock wave therapy, rESWT)は、非侵襲的な治療法として近年注目を集めています。
 痛みや炎症の改善に効果的な治療法(拡散型体外衝撃波療法(ショックウェーブ))です。
 治療中、衝撃波が発生する時に特徴的な音が出ます。
 圧縮空気または電磁波を使って発射体がトランスミッターに当たり、そのエネルギーが衝撃波を発生させます。発生した衝撃波は、皮膚表面から体内に伝わり、深部組織に到達し、組織に働きかけるという仕組みです。
 整形外科領域では、ESWTは骨折や軟部組織の損傷などの様々な疾患の治療に使用されます。特に、骨折の治癒促進や骨の再生、軟部組織の修復に効果があるとされています。

 当院では、痛みや関節可動域のある患者さんに活用しています。
 動きが悪くなった組織の硬さを減少させ、柔軟性を向上させる効果や、衝撃波が組織に与える刺激によって血流を促進する効果があります。

事例

 変形性膝関節症で膝の痛みと硬さで曲げ伸ばしが行いにくくなった患者に対し、膝蓋下脂肪体にrESWTを行った結果、膝蓋下脂肪体の動きが改善し、硬さと痛みが改善した方を経験しています。

 エコーを使ってrESWTの照射前後を確認しました。

 照射後には明らかに膝蓋下脂肪体の動きが改善したのが確認できました。患者さん自身も痛みの改善や曲げ伸ばしの行いやすさを実感しておられました。また療法士としても、これを使う事で治療対象部位の改善スピードが格段に異なることを体感しました。

 また、脳血管疾患患者の痙縮においても有効性が示されています。

 痙縮は脳損傷や神経系の障害によって引き起こされることがあり、患者の生活の質や日常活動に大きな影響を与えることがあります。痙縮は筋肉の異常な収縮を引き起こすため、患者は特定の筋肉が制御できなくなる場合があります。たとえば、肘や指が曲がった状態になり、伸ばしにくいなどです。患者の身体的な機能が制限されたり、日常生活の活動や運動が困難になります。
 rESWTは痙縮の緩和に役立ち、その頻度や重症度を減少させることが報告されています。特に、筋肉の緊張や拘縮を緩和することで、患者の運動機能や生活の質を向上させることが期待されています。実際に、今まで緊張を緩和するまでにある程度の時間を必要としていましたが、短時間で改善が可能となり、実際の動作練習に時間を割くことが出来るようになりました。

 しかし、整形外科領域・脳血管疾患どちらの領域でも、効果には、医師との相談が重要で、個々の患者さんの状態に最良な設定となるように調整することが重要です。

 セッションの回数、強度などが重要であり、それらが患者さんの状態や病態に合わせて適切に調整される必要があります。当院では、主治医と相談しながら訓練を実施しています。

<参考文献>
原卓也:運動療法と拡散型体外衝撃波の併用による 膝蓋下脂肪体の変化についての検討,理学療法科学,36(6),865-870:2021
ISMST International Society for Medical Shockwave Treatment:ESWT Guidelines:2023


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