東大阪病院リハビリテーション部門で実施している『がん・緩和ケアの研修会』について紹介致します。
皆さんは、「がん」や「緩和ケア」の患者さんに出会ったことはありますか?
最近では、「がん」や「緩和ケア」の患者さんが増えてきているものの実習ではあまり直接関わってこなかった方もけっこういるかもしれません。
⇒がん・緩和ケアの患者さんへのリハビリについてはこちら
当院では化学療法中の患者さんや、治療後の廃用症候群、緩和ケアを目的として入院している患者さんを担当することがあります。また、回復期リハビリテーション病棟であっても、「がん」の患者さんや「緩和ケア」を必要としている患者さんもおられます。
①リスクマネジメント研修「がん」
まずは入職時(中途入職を含む)の研修プログラムとしてリスクマネジメント研修があります。これは「整形」や「脳血管」「循環器」等のジャンル別に東大阪病院で働いていく際のリスク管理の必要な知識を学んでいく研修です。その中のひとつに「がん」のプログラムがあります。
「がん」の研修では基礎的ながんの治療内容や注意点、時期に応じたリハビリの関わり等について説明しています。講義はストーリー仕立てにしてあり、今までがんの患者さんを担当したことのない方にも、「もしがんの患者さんを受け持った時に自分がどんな関わりをしていくのか」をイメージしてもらえるようにしています。その中で、どんなリスクに注意していくのかを具体的に見ていきます。
(これは、講義で使用するスライドの一部です)
②必須推奨プログラム「緩和ケア」
当院在院リハビリ療法士に向けた研修、「必須推奨プログラム」という研修があります。これは当院で働くために必要な知識を持ってもらうための研修です。新人さんも中途入職者も受講可能です。PT、OT、STそれぞれに必須の研修があります。PTは触診、OTはMTDLP等、職種に特化した研修もありますが、「緩和ケア」はPOS必修の講義になっています。
当院には「がん」の患者さんに限らず、「緩和ケア」の関わりを必要としている患者さんがいます。治らないからリハビリの意味がないわけではなく、患者さんの苦しみに焦点を当て、その苦痛に対して関われる療法士であってほしいと願っています。このプログラムでは緩和ケアの視点を我が事として考えていただき、実際のかかわり方や考え方について一緒に学んでいっていただきます。そのために事前に自分の関わった症例についてトータルペイン(身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインがあり、それらを総合的にとらえる)として考えていただいたり、その場で実習をしていただいたりしています。
<実際の様子>
皆さん真剣に取り組んでくださり、思わず写真を撮ってしまいました。
また、紹介した研修以外にも、がんリハビリテーション研修を受講したリハビリ療法士による自主学習会(1回/1~2か月程度で開催中)や、当院の緩和ケア認定看護師による院内研修会への参加等、様々な場面での学びの場が用意されています。
最後に、私が研修を行う際に考えているのは、
「がんのリハビリなんてしたことないし無理」
「緩和ケアなんて私にはできない」
「良くならないのにリハビリなんてして意味がない」など
上記のような言葉が少しでも減るようにしたい、ということです。
リハビリ療法士自身が「やってみよう」と思えること。そして、そのリハビリ療法士にしかできない素敵なリハビリテーションを患者さんに提供できることを目指しています。
このブログを読んでくださっている貴方にしかできない素敵な関わりが臨床現場で見られることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
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緩和ケアリハビリテーション課
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