『大腿骨転子部骨折術後に大腿骨外側部痛に対する弾性包帯を用いた共同研究』が第59回日本リハビリテーション医学会学術集会で最優秀賞をいただきました。
約半年前になりますが6月23日~25日にパシフィコ横浜ノースで開催された、第59回日本リハビリテーション医学会学術集会に参加しました。
この学会では、嬉しいことに加納総合病院さんと当院で共同研究していた、大腿骨転子部骨折術後の理学療法について、加納総合病院の河西謙吾課長が発表され、最優秀賞を受賞されました。
この時発表された『大腿骨転子部骨折後の大腿外側部痛に対する弾性包帯を用いた大腿部への圧迫介入の効果』は、大腿骨頸部骨折より大腿骨転子部骨折の患者さんで疼痛が強く、歩行能力が低下しやすいのはなぜか??という河西先生の疑問から始まった研究となります。データを加納総合病院と当院で2018年ごろから集積し、河西先生がまとめられ、発表されました。医師を含めて様々な職種が参加され、1000を超える演題の中から河西先生が選ばれたとき、共同研究者として本当に嬉しく思いました。
※写真撮影の時のみマスクを外しております。
痛みが減った原因や関節可動域が良くなった要因の考察として用いられてきた、便利であやふやな言葉に『滑走性が改善した』があります。
この便利であやふやな言葉に対し、河西先生がエコーや特殊な機器を用いて定量化し、リハビリで改善する方法まで検証されたことが今回の研究・発表の素晴らしかった点だと思いました。加えて、河西先生は、研究結果の客観性を高めるために、2重盲検ランダム下並行比較試験を用いられました。これは、簡単に説明しますと、評価する療法士が、①弾性包帯を巻いてリハビリを行った方か、②通常のリハビリを行っている方か分からなくなる方法です。①か②か分からない療法士が評価することで客観性が高まります。
また、1つの病院だけでなく、異なる2病院間で同じ効果が得られたことも、得られた結果の客観性が高くなることにつながりました。
これは河西先生と私の指導教授である森ノ宮医療大学 工藤慎太郎教授のアドバイスでした。いつも神がかったアドバイスをいただき本当にありがとうございます。
研究の結果が出たあと、実際に患者さんへ弾性包帯を巻いた理学療法を行いました。
弾性包帯を巻いてリハビリを行った前後で、急激に10mの歩行速度が速くなられる方が複数名おられました。患者さんの感想としても「足が軽くなる。痛みがましになった気がします。力が入ります」と好評です。
大腿骨転子部骨折術後に大腿外側部痛で悩まれている患者さんに対して、手軽に使用できる弾性包帯を用いて、巻き方の練習を数回すれば一定の効果を出せる方法だと思っております。今後も患者さんが従来のリハビリより、回復することができるリハビリ方法がないかを考えていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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