「作業療法士(OT)インタビュー④ 転職をお考え中の作業療法士(OT)さんへ」と題して、当院で活躍中の作業療法士Mさんにインタビューを実施しました。
来年に作業療法士になる予定の学生さん(新卒作業療法士)や転職を考え中の現役作業療法士さんに読んでいただければと思います。
※作業療法士(OT)インタビュー①は コチラ
※作業療法士(OT)インタビュー②は コチラ
※作業療法士(OT)インタビュー③は コチラ
Q1.入職して何年目ですか?
5年目です。
Q2.就職活動の際にどのような視点で病院を探していましたか?
教育体制(スキルアップが図れるか)、職場の雰囲気、待遇(福利厚生や給与面)を中心に選んでいました。
Q3.入職を決めた要因を3つお聞かせください。
・人的環境がよかった(学びたいと思う先輩方がいた。実習にて指導いただいていたため、雰囲気も知っていた)
・教育体制が充実していた(リハビリテーション部内での勉強会があった)
・待遇が良かった(給与面)
Q4.入職前と入職後で感じたギャップをお聞かせください。
思っていた以上に患者さん一人ひとりに対し考えを深める時間が多くは取れず、日々これで良いのかと悩んでいました。患者さんに実際に介入する時間だけではなく、リハビリ計画書や施設などへの情報提供書(サマリー)・NSTラウンド時の情報記入などの書類の業務が多くあることも、学生時代とは違った印象でした。
Q5.今のMさんの仕事内容は?
急性期病棟にて整形外科疾患・廃用疾患・がん疾患を中心に介入しています。
急性期病棟だからといってベッド周囲での運動だけではなく、自宅へ帰るに向けて身の回りの動作(いわゆるセルフケア、排泄や更衣・整容や食事など…)、実際行われる家事動作や趣味の活動などを実際に行ってみたり、幅広く患者さんたちと一緒に行っています。
Q6.これまで一番苦労した仕事のエピソードをお聞かせください。
初めてがんの患者さん(終末期)に介入した際に、身体がお辛く動くことは難しく、作業療法士として伺ってもただそばにいて場所を共有したり、お話を伺ったり、これは作業療法といえるのかと悩み、また何もできない自分に対し無力感も強く感じました。その時は先輩方にアドバイスを頂き、それらの介入は無駄ではないこと、また何気ない会話の中からご本人の望みを伺ったり、できることを考えたりすることの大切さを知りました。加えて、何かしてあげたい・何かしなければならないというのは、こちらのエゴである場合もあるため、俯瞰できる視点の必要性も学びました。
Q7.これまでの仕事で一番印象に残っているエピソードをお聞かせください。
Q6を踏まえて、その後は患者さんの意思の聞き取りを積極的に行うようになりました。ある患者さんはせん妄状態にあり、会話もままならない状況でしたが、興味・関心の評価を行い、患者さんへちぎり絵の作業提案を実施しました。提供した作業に患者さんは非常に意欲的に取り組まれ、その後は折り紙での病棟やリハビリテーション室の壁面制作まで自発的に行われるようになりました。作業を通して、本人の活動性・ADL動作能力の向上や、壁面制作などを担う役割の獲得、またこれに伴うコミュニケーションの増加や自己肯定感の向上・病者役割の軽減、リハビリに対しても「なんでもやってみよう」という意思の変化も見られました。
Q8.他の作業療法士、他職種とはどのようなコミュニケーションを図っていますか?
業務内容の会話だけでなく、日々の何気ない会話やあいさつを欠かさない事を心掛けています。
Q9.東大阪病院という病院、そして自分の未来についてどうお考えですか?
2023年10月には新病院が建ち、より地域の皆様に貢献できる地域密着型の病院となっていくことができると考えています。また、建物だけではなく、自分自身もアップデートしていかなければならないと感じます。
Q10.学生たちへのメッセージは?
まずは目の前の患者さんにしっかりと向き合って、患者さんご自身のことをたくさん教えてもらって下さい。はじめは経験が無いので分からない事も多いとは思います。しかし、焦らず一つずつ丁寧に学んでいく事が一番の近道だと思います。作業療法士として、共に働くことができる日を楽しみにしています!
2022年8月16日現在、新卒・中途(既卒)ともに募集中です。
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