リーダーブログチームの作業療法士Iです
暑かった夏も終わり、秋がやってきましたね!
食欲の秋
楽しみですね
さて、今回のテーマは
『高次脳機能障害のある方への職種間連携』
と題してお伝えしようと思います。
高次脳機能障害とは?
脳血管疾患などによって起こる理解や判断機能の障害のことを言います。専門的な用語でいうと、失語・失行・失認、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害など様々な症状があり、患者さんによって症状や程度は様々です。
それらが日常生活に影響を及ぼす方に対してリハビリを行います。
リハビリは、リハビリ訓練時間だけでなく、病棟生活においてもサポートが必要であるため、病棟スタッフ(看護師さんや介護士さん)など様々なスタッフが連携して進めていかなければいけません。
私が経験した、注意障害・記憶障害・失語症のある患者さんに対して介入した一例をご紹介します。
この方の問題点は
・ご自身で安全に動ける範囲の理解が曖昧であり、転倒のリスクが高い。
・見守りで行う能力はあるが、動作の定着が困難であり、日によって日常生活動作の方法が違うため、介助が必要。
・言いたい言葉と違う言葉を言ってしまうため、意図が伝えられず聞き手が推測する努力が必要。
チームで相談してそれぞれの職種の役割を決めました。
目標は
「見守りで日常生活が行え、他者とコミュニケーションをとることができる」 と設定しました。
理学療法にて、身体機能へアプローチ(転倒しにくいように筋力やバランス向上図る)。
作業療法にて、日常生活動作が見守りから声掛けによる誘導で行えるように環境を調整する。
言語聴覚療法にて、自分の意思を言葉で伝えられるようになる。
主担当看護師より病棟での過ごし方の情報収集や、環境設定が本当に生活場面において有効であるかを評価していただき、不都合があればすぐに変更…というように関わりました。
例えば、お一人で自室から出る時に、安全に移動できるような環境にするために。
本来ならば手すりの設置を検討しますが、自室に置いていても不自然ではないように手すり代わりに椅子を置くことにしました。椅子が動かないように、重錘をのせて固定しました。しかし、落ち着かない様子でそわそわしておられ、重錘を触るなどがみられた為、看護師さんと相談し、すぐに重錘をご本人様から見えない位置へ変更することにしました。すると、落ち着かれて転倒なく安全に過ごすことができるようになりました。
これをきっかけにご本人様が混乱しないように見慣れない物は置かない事にしました。
最終的に、日常生活動作は概ね見守り~一部介助で行えるようになられ、慣れた場所や人であれば日常会話に概ね支障のない状況に回復されました。
この関わりを通してチームで連携して進めることの大切さを再確認しました。
詳細をもっと知りたい方は、当院に見学にお越し下さい。
その時に、ぜひご質問くださいね
それではまた!
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