管理職ブログチームのOTのKです
回復期リハビリ病棟では基本動作や歩行、ADL(日常生活動作)能力の向上はとても重要で、私達も常にその事を意識しながらリハビリを進めています。
その取り組みの中で数年前より取り組んでいる『ADL(日常生活動作)ミーティング』についてお話させてもらいたいと思います。
ADLミーティングとは回復期病棟に入院中の患者さんのADLを適切なタイミングで向上させる事を目的としたミーティングです。回復期病棟の各班(PT 3班OT 2班)で毎月一度ミーティングを実施し、その班の担当患者さんのADLについて確認し、適切に向上されているかを検討しています。
話し合いをする中で、できるADLとしているADLに差がある場合には早急に向上していくよう声を掛けたり、ADLの向上が身体機能、認知、高次脳機能等の影響でうまくいっていない場合にはセラピスト同士で相談に乗り、良い方法がないか検討します。
うまくADLを向上できていない場合には苦手な工程を分析し、問題点を細かく挙げていますが、特に詳細な分析を大切にしています。
例えば上衣の更衣がうまく出来ない場合には、上衣の着替えができないから介入は上衣を着る練習を反復する、という解釈ではなく、
服の形や素材等を認識する事が問題なのか?
袖を通す身体の反応の問題なのか?
ボタンを留める際の問題なのか? 等々
課題となる動作がなんなのかをまずは明らかにします。
そこからエラーの特徴を分析し、身体機能の何がどのタイミングで問題なのか、高次脳機能障害の何がどのように影響しているのかをじっくり考え、アプローチするようにしています。
各セラピストが各々の経験や視点で質問、アドバイスをしてよりよいアプローチを行いADLの向上ができる限り早期に実現するようチームで考えています。
ADLミーティング導入当初は適切なタイミングでADL向上ができていないケースが多く、問題点もうまく絞れなかったため、その分時間も多くかかりました。
ミーティングを始めて数年が経ち、最近ではうまくADLを向上できているセラピストが増えてきました。プレゼン方法の効率も上がった事で時間の短縮ができ、質も上がってきているように感じます。何より各セラピストが真剣に考え、自身の意見をしっかり言ってくれているので、ミーティングをやる意義を感じています。
患者さんの能力を最大限生かせるようにするため、今後はADLの分析や介入にも更に力を入れ、患者さんに合わせた適切で的確な評価、介入ができるように日々頑張っていきたいと思います。
文責:作業療法士K
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