こんにちは、一般職ブログチームの言語聴覚士Nです
以前のブログでは言語聴覚士として食事面での関わりについてお話しさせて頂きました。
今回は我々言語聴覚士の仕事でもう一つの大きな柱である言語面についてお伝えさせて頂こうと思います。
言語聴覚士という名前にもあるように、私たちは話すこと、聞く事などに対するリハビリを行っています。
私たち、言語聴覚士は脳梗塞や脳内出血の後に
「話しにくい」
「相手が何を言っているのかわからない」
といった症状、いわゆる“失語症”を持つ方について関わっています。
その他にも構音障害といったものが存在しますが、ここではこの失語症についてどのような関わりをするかご紹介します。
この失語症、自覚症状としては頭にイメージは思い描いているけれども言葉に出てこない、どう話せばよいか(口の動かし方が)分からない、といったものがあります。他覚症状として多いものでは、家族の話している事がわからない、何か言っているけれど聞き取れない、周りが理解していないけれど話している本人は気付かない、などです。
その他、話す行為だけではなく、聞く・読む・書く機能のどれかに障がいが起こった際も“失語症”といいます。
誰かと話をしていても上手く伝わらない、言いたい言葉がうまく出てこない、紙に文字が書かれていることは分かるけれども、その内容が理解できない、以前は書けていた漢字が書けない、といった症状も失語症の患者さんに多くみられます。
この失語症ですが、最近少しずつ皆さんの中にも認知されてきている印象を受けますが、“「よく分からない事を話す」認知症”と思われている場合もあるなど、こうした障害の存在を知らない方はまだまだ沢山いらっしゃるのが現状です。
こうした状況の中で、失語症患者さんのリハビリを行う際は、患者さん本人へのアプローチと平行して家族の方や患者さんと関わる病棟スタッフやリハビリスタッフにも理解を促していき、患者さんとの適切な関わり方を伝えるように工夫しています。
どういった声掛けがよいのか?
どうすれば患者さんの話す内容を理解できるのか?
やりとりの手助けとなる方法はないか? などを考え、
ご家族・介助者とご本人のコミュニケーションが円滑におこなえるように訓練や方法の伝達・指導を行っています。
人と交流するうえで重要なツールである『言語』を障害された患者さんが、自身の気持ちを伝える・相手の話しを理解できるように、患者さんの周囲の人たちを巻き込んで今日もリハビリを行っています。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
文責:言語聴覚士N
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