理学療法士の仕事について 先日、元大リーガーのイチローさんと松井秀喜さんの対談しているTV番組(情熱大陸 2024.12.22/23放送)を見て感じたことをお話しさせていただこうと思います。
私は野球をほとんどやったことがないですし、スポーツも全国大会にでたことがあるとかそういうレベルではありませんが、私が共感した部分がありました。 その内容は
松井氏「今のメジャーの試合見て、ストレス溜まりませんか?」と
イチロー氏に質問
イチロー氏「溜まる溜まる。めちゃめちゃ溜まるよ。」と即答。
イチロー氏「退屈な野球」と
松井氏「打順の意味とか薄れちゃっていますよね」と
イチロー氏「それぞれの役割みたいのがまったくないもんね。怖いのは日本が何年遅れかで、それを追っていくので、危ないよね。この流れは」と危惧 「目で見える情報をインプットして、そうなのかって。ある意味で洗脳されてしまっているよね。選手の気持ち、メンタルはデータに反映されないわけで。目に見えないことで大事なことはいっぱいあるのにな、って。でもみんなそれ(データ重視)をやるから、そこの勝負みたいになっちゃって」と
データ依存の野球に懐疑的な見方を二人とも示していました。
メジャーリーグはデータを駆使しなければ勝てない時代で、選手たちは相手投手の特徴を調べるため、試合中にベンチでタブレットを見つめる光景が日常になっているそうです。
最近のリハビリ業界の流れも、EBM(「Evidence-Based Medicine」の略称で、「根拠に基づく医療」を意味します)が重視され、データが重要視されています。もちろん、根拠に基づく医療は重要ですし、それに基づきリハビリを実施していくことも必須だとは思います。 しかし、イチローさんや松井さんが言われていた内容と被ってくるのですが、それ以外にもEBMと同等に重要なことがリハビリでもあるのではないかと個人的には思っています。
患者さんの体調はもちろん、性格などデータ化できないさまざまな重要なものがあると考えています。 またEBMに基づくリハビリ内容を行っていても、声掛けや触り方やアプローチの微妙な違いで成果の違いもでてくると感じています。 とくに、患者さん個人の価値観を理解することやアプローチに対する反応をみながら修正・調整していくことが大変重要ではないかと考えています。
リハビリ療法士が、患者さんの価値観を理解し、患者さんの反応をみながらリハビリ内容を修正していくには、多くの経験が必要だと考えます。
経験といっても、長くリハビリ業界で働いているということではなく、思考をともなった経験の積み重ねが重要であると思います。
毎回、目の前の患者さんがどのようにしたら良くなって、どのようにすると良くなかったかの検証を実施しながら、経験値を増やしていく作業がわれわれ理学療法士にとって大変大事なことではないかと考えます。
AIの進化で今まで以上にいろいろな情報を手に入れることが可能になっていくと思いますが、情報をうまく使える経験ある理学療法士になることが大事だと思います。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
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TOYOTAが開発した最先端のロボット機器 ウェルウォーク(WW-2000)を導入しました。
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