がんのリハビリテーション研修会に参加しましたのでご紹介します。
日本では、施策として2006年に「がん対策基本法」が成立し、2007年に「第1期がん対策推進基本計画」が策定され、がん対策の取り組みが本格的にスタートしました(一般財団法人ライフ・プランニング・センターホームページより引用)。
日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性65.0%、女性50.2%(男女とも2人に1人)です。その中で、がん治療技術の進歩により生存率*が向上する一方で、治療中および治療後の副作用や後遺症、身体機能の低下、心理的な負担が課題となっていました。これらの課題に対応するため、がん患者さんに対して専門的なリハビリテーションを提供する必要性が高まり、その重要性が認識されるようになりました。このような背景から、2012年(平成24年)4月の診療報酬改定で、がん患者リハビリテーション料が新設され、日本ではがん患者さんの治療中および治療後のQOL(生活の質)向上を目指すためのリハビリテーション環境が充実してきました。
*2009年から2011年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計で64.1%
今回は、「一般財団法人ライフ・プランニング・センター」が実施している研修会を受講しました。
ライフプランニングセンターでは、2021 年度から、e ラーニングを取り入れた新しい研修形式として、 「がんのリハビリテーション研修 E – CAREER 」が開催されています。事前に行われる「個別学習」ではeラーニングでがんの疾患や病期に特徴的なリハビリテーションの内容や多職種チーム医療の実際について学びました。16章にもなる内容について理解を深め、各章の終わりには確認テストも受けます。
様々ながんの治療に関する知識や評価法、がんの様々な病期に対してやがん種についての幅広い知識に触れることが出来て非常に有用な研修になりました。各職種の役割等も学べて、演習も含まれていたので、実際の関わりもイメージして学ぶことが出来ました。
また、1日かけて行う集合学習では模擬リハビリテーションカンファレンスを通してディスカッションを行うなどして、実践につながるような研修の内容になっていました。
この研修会は、医師、看護師、リハビリ療法士のチームでの参加が特徴です。
写真は実際の参加の様子です。
ZOOMで他の参加病院とグループワークや発表・意見交換をおこないます。
集合学習では、具体的に個人や病院での課題を話し合うなど、普段なかなか話せない悩みや、チームでやりたいこと等情報交換の場にもなりました。
がん対策のより一層の推進を図るため、国の施策として2006年に「がん対策基本法」が成立し、2007年に「第1期がん対策推進基本計画」が策定され、がん対策の取り組みが本格的にスタートしました(ライフ・プランニング・センターHPより引用)。
また、がん治療技術の進歩により、生存率が向上する一方で、治療中および治療後の副作用や後遺症、身体機能の低下、心理的な負担が課題となっていました。これらに対応するため、がん患者の特性に応じた専門的なリハビリテーションを提供する必要性が高まりました。リハビリテーション診療点数においても、がん患者に特化したリハビリテーションの重要性が認識され、治療中および治療後のQOL(生活の質)向上を目指す取り組みが評価されるようになり、2012年(平成24年)4月の診療報酬改定で、がん患者リハビリテーション料が新設されました。
当院では、2013年(平成25年)に緩和ケア病棟を開設しました。それに伴い、リハビリ療法士も緩和ケア病棟に入院されている患者さんにリハビリテーションの実施を開始しました。さらに、一般病棟では化学療法の実施なども行われるようになり、リハビリ療法士のがん患者さんへの関わりが増加しました。院内でのがんリハビリテーションへの需要が高まったことで、より専門的な知識の向上とチーム力のアップを目的とし初めて2019年に「がんのリハビリテーション研修」を受講し、「がんリハビリテーション料」の施設基準を取得しました。以降、医師、看護師、リハビリ療法士が継続的に研修を受講しており、現在リハビリ療法士だけで計20名(理学療法士10名、作業療法士7名、言語聴覚士3名)が研修を修了しています。
その結果、当院では、研修修了リハビリ療法士を一般病棟や緩和ケア病棟に十分に配置し、がん患者さんのリハビリテーションを途切れなく提供できる体制を整えることができています。
がん患者さんへのリハビリテーションでは、がんの種類による特性や治療状況に注意しながら、寝たり起きたりする基本的な動作・日常生活動作(食事、トイレ、着替えなど)・歩行の改善や廃用症候群の予防・浮腫や痛みの軽減・栄養摂取方法の確立・在宅復帰支援等、身体機能だけでなく、動作や環境面に対しても関わっていきます。終末期においても、痛みの軽減・呼吸苦の緩和・心理的支援・環境調整等その時々に必要な関わりをチームで検討し行っていきます。
当院では、患者さんとご家族が抱える、様々な痛みや苦しみの緩和を目標とし、病院や在宅においてその人らしく穏やかに過ごせるように、心を込めてケアをおこなっています。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
・急性期リハビリテーション課
・緩和ケアリハビリテーション課
・回復期リハビリテーション課
文責:リハビリテーション部門 部長 椎木
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TOYOTAが開発した最先端のロボット機器 ウェルウォーク(WW-2000)を導入しました。
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