早いもので2024年も残すところ2ヵ月を切りました。当院に4月に入職したセラピストも、ある程度先輩の手を離れ、一人でカンファレンスなどに出席できるようになってきました。仕事に慣れてきた一方で、「自分の考えを患者さんやそのご家族、多職種にうまく説明できない」といった相談をこの時期になると後輩のセラピストから受けます。私自身も、新人セラピストの頃は自分の考えを他者に伝えるのが苦手でした。しかし、ある先輩療法士から「言語化をする癖をつけたらどうだ」とアドバイスをもらってから、相手に伝わりやすい表現を考えて話すようにしました。
「頭の中で自分が考えていることを言葉に変換し、さらにそれを相手が理解しやすい表現で伝える力」とされています。ここで重要なのは、相手が理解しやすい表現で伝えることです。なぜなら、患者さんの退院後の生活環境を整えるためには、患者さんのご家族だけでなく、ケアマネージャーや訪問看護師、訪問リハビリテーションのスタッフなど、多職種の様々な人に情報共有する必要があるためです。
当院では、定期的に担当患者さんに関するリハ部門内でのカンファレンス(ADLミーティング)を実施しています。また、経験年数に関係なくすべてのセラピストが症例発表を年に一回実施しています。その理由としては、他のセラピストの臨床思考を学ぶだけでなく、発表を通して自分自身の考えを言語化する経験を積んでほしいと考えているからです。
ADLミーティングは、セラピストがこれまで介入したことのない患者さんのことでも、どのような患者像なのか聞き手に伝わることを念頭に置いて実施しています。また、ADLミーティングでは、入院中の患者さんのADL機能だけでなく、家屋環境における問題点や退院後に必要な身体機能の予測、使用する必要のあるサービスまで話を広げてディスカッションを行っています。これらの話し合いでは、事前に準備していないところまで話が広がることが多く、自然とその場で伝える力が養われていると考えています。もちろん最初からうまく伝えることは難しいですが、試行錯誤を繰り返す中で、すべてのセラピストが伝える力を身につけてきていると感じています。私自身も不十分な点が多いので、先輩に言われた「言語化をする癖をつけたらどうだ」というアドバイスを忘れず、後輩セラピストにも伝えるようにしています。
=・=・=・=・=・=・=・=・=・=・=・=・=
社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
・急性期リハビリテーション課
・緩和ケアリハビリテーション課
・回復期リハビリテーション課
文責:理学療法士K
※無断転載禁止
〒536-0005 大阪市城東区中央三丁目4-32
TEL : 06-6939-1125
FAX : 06-6939-7474
Mail: kikaku@yurin.or.jp
TOYOTAが開発した最先端のロボット機器 ウェルウォーク(WW-2000)を導入しました。
=・=・=・=・=・=・=・=・=・=・=・=・=
関連記事