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膵臓(すいぞう)がんについて Q&A

膵臓がんとは?

膵臓にできるがんは膵管の細胞にできるがんで約90%以上を占めています。 毎年約20,000人が罹患し、約20,000人が死亡する治療が困難な疾患です。
膵臓がんは現在、我が国のがんによる死因の約7%を占めており、肺がん、胃がん、大腸がん、肝がんに次いで第5位となっています。
画像診断が進歩した現在においても、遠隔転移を有する進行した病期が45%であり、さらに切除不能の局所進行例の状態で発見される患者も多いがんです。
早期の膵臓がんでは特に症状はありません。胃のあたりや背中がだるい、お腹の調子が悪いなどで検査した結果、膵臓がんと判明することが多いです。
膵臓がんの発生要因に関しては、喫煙、肥満、食事、飲酒、コーヒーなどの生活習慣の他、慢性膵炎や糖尿病、遺伝などさまざまな因子の関与が示唆されていますが、膵臓がんの危険因子として現在確立しているのは喫煙のみと考えられています。

膵臓がんの診断法はどのようなものがありますか?

当院では、 膵臓(すいぞう)がんの有無を調べる膵臓がん検査(セット)をご用意しています。
膵臓がん検査(セット)で早期発見・早期治療を行いましょう。

● 腹部超音波検査

簡便な検査ですが患者さんの体形や部位によっては見つけにくい場合もあります。

● CT/MRI検査

病変の状態や周辺の臓器へのがんの広がりの程度、転移の有無などを調べられます。

● 超音波内視鏡検査

病変がある部位を詳細に調べるために、超音波のついた内視鏡を入れて病変の状態や周囲への広がりなどを見ます。腫瘍の組織を取るために針を刺して調べることもあります。

● ERCP(内視鏡的膵胆管造影検査

内視鏡を挿入し十二指腸乳頭部というところに細いカテーテルを挿入し膵管や胆管の形を調べる検査です。膵液や胆汁を採取して細胞や組織を調べることもあります。膵がんによって胆管が閉塞している場合(閉塞性黄疸)は胆管内にチューブを挿入し黄疸を治療する事ができます。

 

膵臓がんの治療法はどのようなものがありますか?

膵がんを放置すると、症状(黄疸・腹痛・背部痛・食欲不振・嘔吐等)が増悪し近い将来生命を脅かす可能性が高く、手術による切除が望ましいと考えます。膵切除術は治癒あるいは長期生存が期待できる唯一の治療法であり、遠隔転移を認めず原発巣を完全に切除することが期待できる例に対する標準的な治療法となっています。膵頭十二指腸切除、または膵体尾部切除と後腹膜郭清が基本的な術式となっています。
遠隔転移を伴う場合は抗がん剤や放射線治療を組み合わせた治療が選択されます。がんによって閉塞性黄疸を生じている場合はERCP下で胆管ステントや、経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)による治療を行います。
膵がんは手術で切除できても予後は5年生存率10~20%と不良であり、治療成績向上を目指して種々の集学的治療が試みられています。

▼膵頭十二指腸切除

▼脾温存膵体尾部切除

▼脾合併膵体尾部切除

▼膵中央切除

[出典元:日本消化器外科学会ホームページから(2015年1月)]
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