[膝関節・股関節 外来]
人工膝関節・人工股関節 Q&A
- 入院期間はどれくらいになりますか?
- 手術に危険はありませんか?
- 手術は痛いですか?
- 術後の傷跡は目立ちますか?
- 人工関節の手術後、どれくらいで日常生活に戻れますか?
- 退院後、日常生活で気をつけることはありますか?
- 退院後、運動をすることはできますか?
- 若いうちは人工関節を入れても再手術になる可能性があると聞きました。どうしてですか?
- 人工関節を大事に使うためのアドバイスをお願いします。
- リハビリは、ずっと続ける必要があるのですか?
- 身体障害者手帳がもらえるって本当ですか?
- 股関節人工関節入れ換え術後1ヶ月の注意点は?
- 人工関節置換退院後の外来通院間隔は?
- 人工膝関節手術後の体重のかけ方で注意点は?
入院期間はどれくらいになりますか?
個人差はありますが、おおよそ3~6週間程度です。当院では、手術後約1ヵ月で退院になる患者さんが多いです。
手術後14日目で抜糸となり、その後は外泊も可能となります(2~3回外泊をしてから退院するケースが多いです)。
手術に危険はありませんか?
手術なので、必ずしも危険が伴わないということはありません。
当院では、人工関節置換術において、危険性に対して細心の注意を払っています。
また、看護スタッフ等の手術スタッフや麻酔科専門医による全身麻酔など専門的なサポートのもとで、万全を期して手術をおこなっております。
輸血について
大半のケースにおいて、他人からの輸血を必要としません。
合併症について
非常に稀なケースですが、人工関節手術に伴う合併症が発生する場合もございます。起こりうる合併症の例として、手術部位への細菌感染、深部静脈血栓症(一般にはエコノミークラス症候群と呼ばれるもの)、関節脱臼(人工股関節の場合)があります。
手術は痛いですか?
当院の人工関節置換術は、麻酔専門医による全身麻酔でおこなわれます。麻酔にかかってしまうと、手術中の痛みはもちろん、手術中の恐怖もまったくありません。手術後も十分に配慮し管理をおこなっていますので、ご安心ください。
退院後2~3ヵ月でほとんどの場合、痛みが解消し、多くの日常的な動作ができるようになります。
当院の痛みへの対応
手術後は、手術による炎症反応(痛み、熱、腫れ)が生じるので、短期間ではありますが痛み止めの薬剤を使用します。しかし、術前にあった関節の変形が原因で生じていた関節の痛みは改善されていますので、安心してください。手術後の痛みは、手術に対する炎症反応なので、徐々に改善してきます。
また、術後翌日より手術をした脚へ全体重をかけてもよいという許可が出ますので、長い期間の不自由さはありません。
術後の傷跡は目立ちますか?
約15cmの長さで傷跡ができますが、少しずつ改善します。
術前の変形の状態により少し異なりますが、膝の場合お皿の上に、股関節の場合側方に傷ができます。術後初期は、赤く目立つと思われますが、少しずつ治癒していきます。
人工関節の手術後、どれくらいで日常生活に戻れますか?
通常、3~6週間での退院となります。
当院の人工関節手術の流れ
手術1~2ヵ月前 | 手術日の決定。内科的疾患の評価など。全身麻酔のための諸検査。 |
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手術前日 | 入院。 |
手術当日 | |
手術翌日 | リハビリ開始。 |
手術後14日目 | 抜糸(膝関節は約3週、股関節は約2週)。以後、手術創部が乾燥し、レントゲン検査、血液検査などに問題なく、階段歩行や屋外歩行が自立していれば退院を許可としております。基本早期退院を目指しておりますが、リハビリをしっかりと行いたいという方は当院回復期リハビリテーション病棟へ転棟していただき、リハビリを重点的に受けていただくことも可能です。 |
術後外来リハビリ通院 | 基本的には、入院中のリハビリで十分な状態まで回復してから退院となりますのでリハビリ通院は必ずしも必要ありません。 |
術後外来診察 | 患者さんにより若干の違いはありますが、多くの場合、手術後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、以後は半年から1年に1回程度の通院となります。 |
退院のタイミング
手術創部が乾燥し、レントゲン検査、血液検査などに問題なく、階段歩行や屋外歩行が自立していれば退院許可となります。
当院では通常、術後2週間以内にほとんどの方が退院を許可されます。平均で3~6週間の入院となっております。
退院後、日常生活で気をつけることはありますか?
- 股関節の場合、術後3か月は正座や和式トイレなどを控え、過度に動かさないように注意してもらっています(術後3か月以降は可能となります)。膝関節の場合は特に制限はありません。
- 身体がぶつかり合うようなスポーツや関節に大きな緊張を与えるような動作は控えてもらっています。
- 通常の日常生活にはほとんど支障がありません。散歩やショッピング、旅行、ハイキングなど、手術前には痛くて楽しめなかったことでも、手術後には楽しむことができるはずです。水泳やゴルフ程度の運動も可能です。
退院後、運動をすることはできますか?
もちろん可能です。買い物などの日常生活、ウォーキング、旅行など無理だけなされなければ問題ありません。
若いうちは人工関節を入れても再手術になる可能性があると聞きました。どうしてですか?
人工関節の耐久性の問題があるからです。自動車などのエンジンと同じように、人工関節にも耐久年数の問題があります。使用している人工関節の機種によっても若干違いますが、正しい手術を行えば20年以上耐用すると思われます。また、一般的には、人工関節置換術の適応年齢は60才以上とされておりますが、当院でも60才以下で手術を受けられる方は少数ですがいらっしゃいます。当院の方法は、将来再置換が必要になっても入れ替えやすいように手術をしておりますので安心してください。
人工関節を大事に使うためのアドバイスをお願いします。
人工関節を身体の一部にできるよう、いろいろなことに挑戦していただきたいと思います。
基本的には、人工関節の耐久性の問題や人工関節にゆるみが生じた場合や破損した場合に人工関節を再び置換する手術が必要になるとされていますが
軽度な運動をしたり、仕事をしたり、旅行に行ったりすることは可能です。身体がぶつかり合うようなスポーツは控えた方が長持ちします。
リハビリは、ずっと続ける必要があるのですか?
術後の状態により異なりますが、人工関節を大事に使うためにもリハビリは大切です。
しかし、基本的には入院中のリハビリで十分な状態まで回復してから退院となりますのでリハビリ通院は必ずしも必要ありません。
術後状態により、外来リハビリテーションの必要の有無は異なりますが、担当理学療法士、作業療法士が家での生活やリハビリテーションについてアドバイス等をおこないます。人工関節を大事に長く使うために、リハビリを「卒業」しても、日課として家でもリハビリを続けていただきたいと考えております。
身体障害者手帳がもらえるって本当ですか?
現在は通常の人工関節置換術後の場合、身体障害者手帳はもらえません。
股関節人工関節入れ換え術後1ヶ月の注意点は?
手術の内容・方法によって異なりますが、当院の施行している再置換術(入れ換え術)の注意点は、初めて手術をする時と基本的に同じです。ですので、再置換術だから入院日数が長いという訳ではありません。
人工関節置換退院後の外来通院間隔は?
通常退院後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年で、以降1年に1回となります。
当院は、人工関節置換術を受けられた患者さんを責任を持って経過観察しておりますので、どんなに調子良くても「もう来なくても良いですよ」と言うことはありません。不具合(人工関節のゆるみや感染など)が起こった時は早期発見することが重要だからです。
人工膝関節手術後の体重のかけ方で注意点は?
当院では「体重のかけ方」の制限はありません。術後早期より、全荷重で歩行することが可能です。