医療安全管理室です♪2020-8-8【カテゴリー】質向上への取り組み
こんにちは。
東大阪病院 医療安全管理室のMです
東大阪病院 医療安全管理者
医療安全管理室は、病院長直属の部署として、組織横断的に院内各部署・各職種と連携して医療に係る安全性の向上に取り組んでいます。
医療現場では、医療従事者のちょっとした不注意が原因で、医療上予期しない状況や望ましくない事態を引き起こし、患者さんの健康や生命を損なう結果を招くことがあります。
当院では、医療従事者個人レベルでの事故防止対策と、病院全体での組織的な事故防止対策の二つの対策を推進し、医療事故の発生を未然に防ぐことで、患者さんが安心して安全な医療が受けられる環境を整えるよう、取り組んでいます。
<<医療安全管理室の主な活動内容>>
1.医療事故報告書、インシデント報告書(ヒヤリハット報告)の収集と管理
2.医療事故発生時の対応・再発防止の検討
3.院内巡回・安全点検を行い、安全対策実施状況の評価
4.医療安全に関する情報収集と提供、医療安全ニュースの発行
5.医療安全に関する院内各部門の連絡調整
6.医療事故防止に関する教育・研修
7.医療事故防止マニュアルの作成と修正
8.医療安全に関する患者・家族からの相談
これらの業務を医療安全管理室に配属されている、専任の医療安全管理者を中心に遂行しています。
取り組みの一つ「ヒヤリハット報告」を紹介します。
ヒヤリハットとは、一歩間違えば重大な事故に発展していた可能性のある、危険な出来事のことを言います。
たとえば、
「病棟で物品を運ぶ際に手をすべらせて落としそうになったが、ギリギリのところで床に落とさずに済んだ」といった場合や
「病室の段差でつまずいて転びそうになったが、棚につかまってなんとか転ばずに済んだ」
といった場合などが、ヒヤリハットにあたります。
このようなヒヤリとした体験や、ハッとした体験が元になることから、「ヒヤリハット」と呼ばれています。
ヒヤリハット事例は、最終的には事故に発展していない事例です。
だからこそ、当事者はその報告を軽視しがちです。
「今回の事例はたまたま起こった」
「注意していれば大丈夫」
といった意識もあるので、報告するまでもないと考えてしまうことも多くあります。
しかし、前術したようにヒヤリハット報告は起こりうる事故を予防するためのもの。
そのため、できるだけ多くの事例を報告してもらうことが必要です。
「事故にならなかったから大丈夫」ではなく、起こったヒヤリハットと今後起きる可能性のある事故について考えることが大切なのです。
その貴重な報告をいかして、分析し、公表し、現場の安全対策に活用し、二度と起こらないように、作業のあり方や設備の改善を行うようにしています。
その他にも最近の院内研修会では、
「組織内のコミュニケーション ~ノンテクニカルスキルの向上を目指して~ コミュニケーションとチーム運営」
「今日から実行!『安全確認動作』で事故を減らそう!」
「KYT=危険予知トレーニング」
などのテーマを取り上げました。
研修会では毎回、参加者に関心を持ってもらえるように工夫を凝らし行っていますが、これが頭を悩ませるところです
医療安全を院内の全スタッフが意識し、行動に移せるようになるためには、まずは関心を持ってもらうことが重要だと考えています。
「医療安全はあたりまえ」なことですが、それを疎かにすることで職場の雰囲気や環境の悪化にもつながります。
「安全があたりまえと思わずにいること」
「院内で起こった小さな出来事が、大きな事故につながらないために」
これらを常に
「どうすればよかったのか?」
「こうしたらいいかも!?」
と前向きに考え、医療安全に取り組み、患者さんにも職員にも安全な医療環境を提供するために努めていきます。