看護部長の上薗です ~看護師のやりがい~2020-12-31【カテゴリー】看護部長より
今年は未曽有の年となり皆さん大変な1年だったかと思います。
私も同様にこの1年、病院スタッフと共にがんばりましたが、何より感染管理認定看護師※1をはじめ、現場のスタッフの頑張りに感謝しかありません。
今年の新人看護師もこのような状況のなか頑張りました。
先輩看護師も指導と業務に頑張ってくれました。
新人看護師は入職して半年以上が経過して、そろそろ夜勤デビューの時期となってきました。毎年、有隣会では年に2回表彰式を開催するのですが、今年も感染症対策を万全に行いながら開催しました。新人看護師も新人賞、スマイル賞などを受賞しました。今後の励みとなってくれたら嬉しく思います。
今、医療現場に置かれている医療従事者は、大変な状況で勤務を強いられております。
現場のスタッフはガウンテクニック※2や感染予防、掃除、消毒等含めると業務量は4倍になると言われています。
今年はずっとこのような日々が続いていますが、奮闘してくれています。
そこに患者さんがおられる以上、投げ出すことはできません。
今は先が見えない状況で緊張感を長期で強いられると人間・・・・・ 心が折れそうになって当然です。
しかし、私たちはこの時のために存在していることも事実です。
看護師は「救う」人の体、心を「救う」、そのために存在し、教育を受け技術を習得し、研修を重ねているのです。
もちろん「救った」なんておこがましい事は思ったことはありませんが、医療従事者の使命が、そこに期待されることも事実です。
日頃の看護の中でも苦しい局面は必ずあります。それを受け止め乗り越えて、人に寄り添える看護師に成長することができるのではないでしょうか。
ご家族も面会がままならず、切ない思いをされています。
皆で、私たちにできる事を精いっぱい頑張りましょう。
それぞれの機関がそれぞれの役割を果たしていけば、きっと結果は出ると思います。
ただ、この時期だから見えてきたこともたくさんあります。リモート面会(オンラインという文明の利器を活用した面会)に新しく取り組むことができました。
我々も時代に否が応でも沿っていかざるを得ず、新しいことに触れる良いきっかけとなったこともたくさんあります。
こんな時こそ小さな発見や些細なことに感謝ができないといけませんね。
私がまだ新人だったころ、無我夢中で自分が何をしているのかもわからず、ただただ走りまわっていた頃。退院される患者さん、ご高齢の方でしたが、「あんたのことは一生忘れん」といってくださいました。
まだ若かった私はうまくお答えもできず退院のお見送りをさせて頂きました。
新人の頃のこのような体験をふたたび5年目頃に同じような体験をさせていただき、自分の中で看護観が確立していったように思います。もちろん勉強は欠かさず熱心にやっていた方だとは思いますが、自分の知識欲でやっていた勉強が責任感に変化していきました。
私も皆さんと同じようにこの道を歩いてきて、経験から得られた事や気づき、学びからの気づきを皆さんと共有し、風土の良い職場づくりの一環となればよいと思っています。
新人の頃から当院で頑張ってくれているスタッフ、中途入職で頑張ってくれているスタッフ、どのスタッフも大切な、大切なスタッフです。今の私のやりがいはそのスタッフさん達と共に成長すること、スタッフさん達と共にあること、スタッフさん達の成長を見守ることにあります。(現場にいるときは、患者さんのために責任をもってかかわらせていただき、目の前の人のためにやれることをやる、といったことにやりがいを感じていました。)
看護観ややりがいといったことは簡単に自分の中で確立されにくいことかもしれません。
しかし、目的を持つことはとても大切な事です。
「これで良いのか」
「何のためにやっているのか」
と悩んだ時に目的が自分を支えてくれたりします。
是非、目的を明確にして頑張って下さい。
このような時だからこそ、踏ん張れる自分であるために長いメッセージを書いてみました
共に頑張りましょう。
来年もどうぞよろしくお願いいたします
※1 感染管理認定看護師
日本看護協会が認定する教育機関で教育を受け、感染管理に必要な知識・技術を修得後、認定審査を受け認定された看護師です。
※2 ガウンテクニック
個人防護具の正しい着脱方法のことを言います。
日本看護協会サイトに詳しい動画が掲載されています。( https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/covid_19/document/index.html#prevention )