新人看護師の看護観 ~看護学生と看護師の違い~2024-10-25【カテゴリー】その他/新人教育/なりたい看護師・看護観
今日は当院に入職した新人看護師1年目の看護観についてご紹介したいと思います。
東大阪病院 障がい者病棟 看護師のU
私の入職前の看護観は、患者さん一人ひとりの心身に寄り添い、患者さんとのコミュニケーションを大切にすることでした。
実際の入職後にさまざまな患者さんと関わる中で、改めて自分の看護観について振り返りました。
新人看護師として入職して障がい者病棟に配属になり、ご自分の訴えを伝えることができる患者さんとできない患者さんなど、さまざまな患者さんに出会いました。
その中で身の回りのことを自分自身でできる患者さんでも、退院後の心配なことや入院中のストレス、体の不調などを打ち明けらえることがありました。
それら一つひとつの思いを傾聴し、痛みや苦痛を考慮して、医師に薬の処方を相談するということを行いました。すると、患者さんから「話を聞いてくれてありがとう」という言葉や「薬を飲んで良くなりました」という言葉がありました。自分のほんの少しの行動が患者さんに影響を与え、少しでも心の支えになれたのではないかと感じました。
入職前は、患者さんと会話をする中で心身に寄り添った看護を考えていました。しかし、会話が難しい患者さんは苦痛や不安を訴えることができません。ある患者さんは自分の訴えを伝えることが難しく、痰が多く、頻回に吸引が必要な方でした。吸引後に患者さんの目に涙が浮かんでいる様子が印象的でした。
私は吸引後に必ず、息が乱れる患者さんの肩をさすり、「頑張ってくれてありがとうございます」と言葉をかけることを意識しました。すると少し安心したような表情でうなずかれる様子がみられました。
患者さんにとって必要な医療行為であっても、苦痛があるということを忘れてはならないと思いました。やはり、声かけやタッチングは患者さんの心身に寄り添う上で必要なコミュニケーションだと感じました。どのような状態の患者さんであっても、一人ひとりの疾患を理解し、日々の全身状態の観察をし、苦痛の原因を見つけ、いつもと違う所がないかに気づくことが大事だと感じています。
訴えができない患者さんに対しては、頭から足先までの状態の変化にいち早く気づく観察力が必要だと思います。
心身に寄り添った看護というのはとても難しいと実感しています。
患者さん一人ひとりの全身状態を把握することも心身に寄り添うこともどちらも必要です。
患者さん自身の訴えを理解し、一人ひとりに合った対応をしていくために疾患の理解や私の声かけが、患者さんにどのような影響を与えるのかを理解しないといけないと思います。
今後も一人ひとりの日々の全身状態の観察や少しの変化に気づくことができるよう疾患に対する学習を行い、知識の習得をしていきたいです。
そして、小さな声かけを大切にし、その人の心身に寄り添った看護を提供していきたいです。