お知らせ
症状と治療法のご案内-鼠径ヘルニア-
鼠径ヘルニアとは?
鼠径ヘルニアは脱腸とも呼ばれている疾患で足の付け根(鼠径部)がゴルフボールや卵の大きさに膨れてきます。こどもの場合は先天性のものが多いですが、大人では立ち仕事をする人、製造業など腹圧がかかることが多い方、便秘や肥満の方が多いです。原因は年齢や過度の腹圧により足の付け根の腹膜や筋膜が弱くなり、お腹の中にある脂肪や腸、卵巣などが腹膜という膜に包まれて飛び出してきます。
鼠径ヘルニアの症状は?
立った時やお腹に力が入った時、お風呂に入った時などに足の付け根の所が膨らんできます。触るとやわらかく指で押さえると引っ込み痛みもないこともあります。横になって寝ている時には自然に戻る場合もあります。しかし一番怖いのは飛び出したものがもとに戻らなくなったり、硬くなったり、痛みが強くなった時です。これは飛び出した腸や脂肪などが足の付け根の筋膜付近で締め付けられてしまい、組織の循環障害や壊死を起こしている状態でヘルニア嵌頓(かんとん)といいます。このような状態になると緊急で手術が必要となることが多いです。
鼠径ヘルニアの治療法は?
ヘルニアの治療方法は昔はヘルニアバンドというバンドでベルトのように巻きつけ飛び出さないようにしていましたが、現在ではそのような方法は根本的な治療ではないため手術によってヘルニアを治療します。麻酔をかけて足の付け根の皮膚を切って飛び出していた腸や脂肪を戻して、メッシュ状のシートやプラグというものを挿入し弱くなった組織を補強します。それにより脱出を防ぎます。手術は1時間ほどで終了しますし入院期間も3,4日ほどです。手術後の再発もかなり少なくなっています。ヘルニアの嵌頓(かんとん)状態の場合は腸を切除する場合やショック状態となることもあり入院期間も長くなります。足の付け根に違和感や何か飛び出してきたという方は、早めに外科受診することをお勧めします。