お知らせ
症状と治療法のご案内-胃がん-
胃がんとは?
胃がんは特に日本人に多いがんです。年間約5万人の方が胃がんで亡くなっています。その数は年々減少傾向にありますが、頻度の高いがんであることは変わりません。胃がんは早期に発見し治療することによって完治可能ながんとも言われています。
胃がんの原因は?
原因は食生活などの環境因子が大きく関わっていると考えられています。塩分の多い食事や喫煙、過度の飲酒などは胃がんの発生リスクを高めると言われています。最近よく耳にするヘリコバクター・ピロリ菌の感染は胃の粘膜の萎縮をきたし、胃がんの発生を高めることがわかっています。この菌に感染している人は除菌治療が必要で除菌により胃がんの発生リスクを低下させることができます。
胃がんの症状とは?
早期の胃がんでは症状は無く、がんの進行によって症状が出現します。大きな潰瘍を形成する場合は痛みを伴うことがあります。胃の出入り口に近いところにがんができて大きくなると食べ物の通過が悪くなり、食欲がなくなったり吐き気を催すなどの症状が現れる場合があります。がんから出血すると便が黒くなったり、貧血になって顔が青ざめたりする場合もあります。腹痛、上腹部の不快感、嘔気、嘔吐、胸やけ、腹部膨満感、食欲不振、体重減少などの自覚症状が現れることもあります。
胃がんの診断
- バリウム検査
バリウムを溶かした造影剤を飲んでレントゲン写真を撮影し、胃の中を調べる検査のことで病変の有無を判定します。 - 内視鏡検査(胃カメラ)
胃カメラを鼻や口から挿入し、胃の中をテレビモニターに映し、がんや潰瘍、ポリープ、炎症などがないかを調べる検査です。鼻から入れる経鼻内視鏡は直径約5mmの細い内視鏡でのどを通る時の嘔気や違和感が少なく苦痛がほとんどありません。検査時間も10分ほどで終了します。胃の中にがんなどの病変が見つかった場合は組織を一部取り病理検査で詳しく調べます。[出典元:社会医療法人有隣会 東大阪病院] - CT,MRI検査
がんであることが判明した場合は、がんの広がりを調べる必要があります。がんが胃の壁のどこまで深く広がっているか、リンパ節に転移があるかどうか、肝臓や肺などの臓器に転移があるかどうかを調べる検査です。がんが胃の壁のどの深さまで進んでいるかを調べるために超音波を使った内視鏡検査を行う場合もあります。
胃がんの治療
早期がん、進行がんでも手術による治療が望ましいです。早期がんの一部では胃カメラを使って内視鏡的に切除することで根治できる場合もあります。手術は開腹手術と腹腔鏡手術があります。それぞれのがんの進行度や全身状態を考えて選択します。手術後は翌日から歩行して頂き、4-5日目ごろから食事が開始になります。
術後2~3週間目には退院していただき、以後は自宅にて療養して頂きます。手術で摘出した胃やリンパ節などは病理検査で詳しく調べます。その結果によっては抗がん剤治療を行うことがあります。