[上肢骨折について]
肩周辺の骨折(上腕骨近位端骨折)について
上腕骨近位端骨折の治療法とは?
転位のない骨折は、保存的治療の適応であり、三角巾などで固定し、臥床、起床動作時に肩関節を安定させるため、バストバンドなどで上肢を体幹に固定します。3週間は固定を行います。固定期間中も手指の腫れを軽減させるため、手指や手首の運動は積極的に行います。痛み、腫れの軽快に応じて、可動域訓練を開始していきます。


手術適応は、骨折分類に従って行われ、骨折部の転位の程度が重要です。手術的治療の目的は、骨折部の安定性を得ることで痛みを早期に軽減させること、整復された位置で骨癒合を得ること、骨折を起こす前の肩関節の機能を獲得することを目的に手術的治療が選択されます。
手術方法は、鋼線などを用いる方法から、近年は、髄内釘固定法(図1)やプレート固定法(図2)が行われます。脱臼骨折の場合には、人工骨頭置換術が行われる場合もあります。
手術方法は、鋼線などを用いる方法から、近年は、髄内釘固定法(図1)やプレート固定法(図2)が行われます。脱臼骨折の場合には、人工骨頭置換術が行われる場合もあります。
肩関節は、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)で知られるように拘縮(こうしゅく)と言って関節の動きに制限がおこりやすい関節です。保存的治療、手術的治療ともに、骨折部の安定性(固定性)を得ることで、早期に後療法(可動域訓練)を開始することが大切です。