[リウマチ・骨粗鬆症 外来]
転倒予防について
転倒予防について
若年者の場合、スポーツ中や事故等の「骨折」が多いのですが、高齢者になると原因の多くは『転倒』(「しりもち」も含みます)です。
年齢とともに骨が弱くなるとちょっとした衝撃でも骨が折れてしまうようになります。
骨粗鬆症(骨粗しょう症)の場合はなおさらです。
年齢とともに骨が弱くなるとちょっとした衝撃でも骨が折れてしまうようになります。
骨粗鬆症(骨粗しょう症)の場合はなおさらです。
『転倒』でよく骨折する部位が「大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)」や「大腿骨転子部(てんしぶ)」といった「足のつけね=太もものつけね」の骨です。
この足のつけねの骨を骨折すると、手術が必要となることが多く、手術を受けたとしても骨折前と同じように歩けるようになるまで長い時間を要します。また、以前と同じように歩くことができなくなる場合もあります。
大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折では、以前は一人で屋外活動ができていた患者さんでも、骨折後半年から1年後に元通りに近い状態で歩ける方は全体の50%程度にすぎません。
この足のつけねの骨を骨折すると、手術が必要となることが多く、手術を受けたとしても骨折前と同じように歩けるようになるまで長い時間を要します。また、以前と同じように歩くことができなくなる場合もあります。
大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折では、以前は一人で屋外活動ができていた患者さんでも、骨折後半年から1年後に元通りに近い状態で歩ける方は全体の50%程度にすぎません。
うまく歩くことができず、運動量(活動量)が減り食欲が低下すると、エネルギー不足を生じます。次に足の筋肉や呼吸に必要な筋肉が減少すると「息切れ」や「呼吸困難」を生じ、しんどいのでさらに運動量(活動量)が減っていってしまうという「生活の質」を下げる悪循環におちいりかねません。
高齢者の転倒事故例
内閣府のホームページによると、高齢者の自宅での事故の45.0%は「居室(きょしつ:普段居る部屋、居間・寝室・台所など)」で発生しています。「階段」が18.7%、「台所・食堂」が17.0%と続いています。
事故例
- 朝目が覚めてベッドから降りる時、ベッドから落ちて、骨折した。
- 夜トイレに行く途中、廊下で転んで骨折した。
- 家の中の段差につまずいて骨折した。
- 食事をしようと台所に行き、トースターのコードに足を引っ掛けて転倒、骨折した。
- マットの上で足を滑らせて転倒し、骨折した。
- 靴下で歩いていて滑って転倒し、骨折した。
事故例をみていると、何か危険な行為をしたために転倒したのではなく、日常的に行っている動作の途中、特にどこかへ移動する際の転倒が目立つようです。
危険が伴うような行動に関しては、できるだけ行わないようにしているか集中・注意し行っているのでしょう。
しかし、ベッドまたは布団から出てトイレへ行く、食事の為に食堂や台所へ移動するといった特に意識せずに行っている動作ではいちいち注意し慎重に動くことが少なく、かえって事故が起こりやすいのではないかと思われます。
危険が伴うような行動に関しては、できるだけ行わないようにしているか集中・注意し行っているのでしょう。
しかし、ベッドまたは布団から出てトイレへ行く、食事の為に食堂や台所へ移動するといった特に意識せずに行っている動作ではいちいち注意し慎重に動くことが少なく、かえって事故が起こりやすいのではないかと思われます。
骨粗鬆症(骨粗しょう症)で骨が弱っていることに気付かず、かつ普段支障なく活動できている人は特にそのような傾向があるのではないでしょうか。「まさか自分が」とは思わず、今からできる転倒予防策を行いましょう。ご家族に高齢者がいる場合も同様に予防策を行いましょう。
転倒を予防するポイント[家の中]
ベッドは手すりや柵付のものにし、転落を防ぐ。
また、足をつきやすい高さのものを使用する。起きてから、床に立つまでの動作がスムーズに行えるよう調整する。
また、足をつきやすい高さのものを使用する。起きてから、床に立つまでの動作がスムーズに行えるよう調整する。
整理整頓し、新聞や雑誌など滑ってつまずいたりしやすい物を床に置かない。足場を広くとり動きやすいようにする。
靴下のみで歩かない。室内履きは、すべりにくく安定感のあるものにする。
廊下や玄関、階段、浴室、トイレ等に手すりをつける。
廊下や階段は、夜でも足元が見えるように照明をつける。
階段に滑り止めをつける。
すべりやすいマットは敷かない。
じゅうたんなどは部屋全体に敷いて、ふちがめくれて足が引っかからないようテープや家具で固定する。
コード類は、壁沿いやじゅうたんの下を通し、足が引っかからないようにする。
手すりが無い場所では、つかまった時・よりかかった時に不安定な家具を置かない。または家具を固定する。
玄関など大きな段差がある場所では踏み台をつける(しっかり固定されたもの)。
トイレは洋式にする。ドアは外開きや引き戸にする。
浴室の床は滑りにくい素材を使うか、滑り止めマットを使う。ドアは外開きやスライド式にする。
転倒を予防するポイント[外出時]
サンダル・スリッパは履かない。安定して歩けるものを選ぶ。
楽に脱ぎ履きできるものを選ぶ。柔らかく軽量なものを選ぶ。
すそのからまりやすい服・歩きにくい服は避ける。
手ぶらになるようリュックなどを活用する。(両手がふさがらない様にする)
荷物を持ちすぎない。
なるべく手すりのそばを歩く。手すりをつかう。
路面のでこぼこ、タイルのはがれ、歩道と道路の段差やマンホールなどの段差に注意する。
必要に応じて杖を利用する。
自転車の故障や不具合を点検する。修理に出す。
サンダルやスカートなど運転しにくい服装では自転車に乗らない。
交差点などではいったん停止する。
雨の日は、自転車に乗らない。
転倒を予防するポイント[心がまえ]
「焦らない・慌てない」で済むよう、時間に余裕をもって行動する。
事前に計画を立てて行動する。無理な計画は立てない。
信号、電車、バスに間に合わせようと無理をしない。
すべりやすい雨や雪の日は、できるだけ外出を避ける。
夜間の外出や、昼間でも暗い場所を通ることはなるべく避ける。
家の片付けもかねて、早いうちから身の回りの環境を整える。
疲れたら休む。無理はしない。「まだ、大丈夫」は「大丈夫」ではない。
自分を過信しない。