透析に関すること
シャントについて
ブラッドアクセスについて
ブラッドアクセスとは透析を行うために腕等に作成する血液の出入り口となる場所です。
ブラッドアクセスには種類があり下記のように分けられます。
人工透析では高流量の血液を人工腎臓に循環させる必要があるため十分な血液流量を確保できるブラッドアクセスの作成が必須となります。
各ブラッドアクセスについて
●シャントとは
シャントとは腕の中の動脈と静脈を繋げた物の総称です。
人工透析は1分間に200mlほどの血液を循環させる必要があるため普通の静脈では血液流量を確保できません。そこで血液流量の多い動脈を繋げることで静脈内に血液をバイパスし、人工透析が可能な高流量を得ることができます。しかし、シャント作成前とは腕の血液の流れが変わるため心臓に負荷がかかったり、スチール症候群※といったトラブルが発生する場合があります。
●内シャント
腕の中の動脈と静脈を繋げたものです。腕の中で繋げているので内シャントといいます。
内シャントは現在最も一般的なブラッドアクセスとなります。
その中でも自己血管を用いたものをAVF、人工血管を用いたものをAVGといいます。
基本的に自己血管を用いて内シャントを作ります(AVF)がシャントに適した血管がない場合などは人工血管を使用します(AVG)。
しかし、AVGはAVFに比べ感染しやすいという欠点があるので管理には注意が必要です。
●動脈表在化
血管が細い、動静脈の位置関係、心臓の状態等の理由で内シャントを作るのが難しい場合に使用されます。
もともと動脈は人工透析が可能な血液流量を持っていますが腕の深くに埋没しているため穿刺が困難です。
そこで動脈を皮下まで引き上げることにより動脈への穿刺が埋没している時と比較して容易になります。
またシャントではないので血流が変わらず心臓に負担がかからないなどの利点があります。
しかし、動脈に直接穿刺することは大量出血のリスクもあります。
シャントトラブルについて
●シャントトラブルとは?
透析を行っていると様々な原因で血管内に血栓ができたり血管の内側が狭くなり、透析を行うことが困難になってしまうことがあります。
◉血栓によって血管の内側が詰まる(閉塞)
◉血管が狭くなって血液の量が低下する(狭窄)
◉血管が狭くなり腕全体が腫れる
◉感染 など…
シャントトラブルが発生すると透析を行うことが困難になる場合があります。
そうならないためには早期対応・早期処置を行う必要があります。
当院ではシャントトラブルに対して、シャントエコー検査などを行い、経皮的血管形成術(PTA)を行っています。
シャントPTAでは経皮的にバルーンで拡張、血栓の吸引を行います。
痛みに対して不安のある方には鎮静剤を使用し不快な症状を軽減させて行うこともできます。
シャント造設術、シャント再建術は基本的には日帰り手術ですが希望や必要に応じて入院していただくこともできます。